シリーズ 専門家にきく! スポーツ栄養アドバイザー石川三知さんに聞く チャレンジできる体のつくりかた第1回(全4回・レシピあり)
――アスリートのみなさんへ、どのようなサポートをしているのか教えてください。
希望によって、さまざまです。たとえば、山梨学院大学の陸上部の選手には講義やレクチャーをとおしてサポートしていますし、東海大学付属仰星高校のラグビー部には昼食の献立を届けて、年に何回かレクチャーするというサポートをしています。
新体操日本代表フェアリージャパンにレクチャーする石川さん
中央大学の水泳部では、献立作成だけではなく、プールサイドにいて、ドクターの指示で血液検査のデータをとり、トレーニング中の乳酸や血糖の測定をして、体組成の結果から栄養面のアドバイスをしていました。
レクチャーや献立づくり、アドバイスだけでなく、実際に食事をつくることもあります。フィギュアスケートの髙橋大輔選手の場合は、1年のうち7カ月くらい彼の拠点で食事をつくり、5日分ずつストックするというサポートもしていました。
オリンピック選手の強化合宿では、どの国へ行っても食事をつくりますし、陸上のサニブラウン・アブデル・ハキーム選手がオランダチームといっしょに合宿をしたときには、米や乾物、基本的な調味料以外のフレッシュな材料を、はじめて訪れた南アフリカ共和国で調達して食事をつくるという経験をしました。
――求められる内容に応じて、いろいろな形でサポートしているんですね。
「わたしのサポートは、これ!」というようなスタイルやパターンはないですね。チームや個人によって求められているものが違いますし、関わりかたの距離感や予算もありますから。指導者の方、そして選手本人がなにをめざして、なにを求めているのかによって、いろいろな提案をしながら、一人ひとりサポートのしかたを変えています。
――サポートを受けたアスリートのみなさんからの声は届いていますか?
食べ物が体をつくるということを意識すると、からだを構成する体組成が変化し、たとえば血液検査の結果も変わっていくんです。体内の変化は目に見えないので、体組成、栄養計算などもふくめ数値化することで食事でのサポートをわかりやすくして、継続しやすい環境をつくるようにしています。その数値に現れる変化や体感から、体の変化を実感していただけるみたいで、身近な選手にも食事の大切さを語ってくれていたと聞きました。すごくうれしかったですね。
――石川さんがサポートするときに心がけていることを教えてください。