公立中高一貫校、「受検」します! 第12回 面接練習
トップライター:高橋すず
コウタが受検する公立中高一貫校では、適性検査のほかに、グループ面接があります。塾では、12月から1月まで全6回の面接練習が行なわれました。人前で話すのが好きなコウタは、面接練習を楽しんでいるようでした。
面接官は志望校の在校生
面接の練習に入る前に“面接シート”が配られ、志望理由や小学校でがんばったこと、中学生になったらやりたいことなど細かく記入していきます。それを塾長がチェックして、もっとこうしたほうがよくなるなど、指導してくれました。
「(塾のなかで)一番に合格したい」と張り切るコウタは、自習時間に塾長をつかまえ、面接の受け答えを発表していたようです。 そのときの塾長は「いつもより怖い」というコウタ。きっと、合否をジャッジする面接官になりきってくれていたのでしょうね。
家でも、鏡の前にいすを持ってきて練習したり、わたしの前でも練習していました。 声も大きいし、内容もなかなかいいのではと思いました。 言葉に詰まると、右肩が上がってしまうくせがあり、それは塾長にも指摘されたそうです。
塾での面接練習は全6回で、その内容は、
- 1回面接の基本姿勢
- 2回面接シートをもとに個別面接練習
- 3回個別面接練習+集団練習
- 4回集団練習
- 5回集団練習
- 6回集団練習
となっています。
4回目からの集団練習では、志望する中学校の在校生が面接官として来てくれたようです。この中学生面接官は、適性検査では手応えがなかったのですが、面接で挽回したと自他ともに認める子で、面接の練習では塾長をしのぐ厳しさだったということです(笑)。
塾のみんなで合格するために
コウタは、5回目の面接練習で合格することができました。塾長に、 「もう教えることはほとんどないから、最終回は来なくていい」 と言われたそうですが、最終回も勇んで参加。面接官役を仰せつかったそうです。
「どんなことをしたの?」とわたし。
「声が小さい。
内容が具体的じゃない。目線をしっかり。笑顔が足りないとか言った」とコウタ。
「同じ受検生にそんなダメ出しして、本番でコウタがダメだったらどんな顔するの?」
「そんなこと関係ないよ。みんなで受かりたいんだよ」
結局、最終回までに合格したのは10名中3名だったとか。
最後まで合格できなかった子が
「一生懸命教えてもらったのに、合格できなくてごめんね」
と泣きながら謝ってきて、面接官役のコウタたちももらい泣きしてしまったそうです。