子育て情報『公立中高一貫校、「受検」します! 支配的な母親から離れて自分を取り戻していく物語『君だけのシネマ』』

公立中高一貫校、「受検」します! 支配的な母親から離れて自分を取り戻していく物語『君だけのシネマ』

編集部:学研キッズネット編集部

勉強も服の好みも価値観も、幼い頃から母の言いなりになってきた史織。中学受験に失敗し、友だちとの人間関係も壊れてしまった彼女が、父の実家であり転勤先でもある佐渡について行くことを決めるところから『君だけのシネマ』は始まります。

「佐渡に行きたい!」でも母はどんな反応をするだろう、心が大きく揺れ動く史織の姿を想像しながら、わたしは白黒ハッキリさせることが極めて苦手だった自分の子ども時代を思い出しました。「アンケートの選択肢になぜ『どっちでもいい』という答えがないのかな」といつも思っていたわたしのような子どもが、圧倒的な自信で迫ってくる母親にあれこれ口を挟まれていたらどうなっていただろうと思うと、史織のことをとても他人事とは思えません。


新潟から佐渡へ

親子といえども人間どうし。相手が誰であろうと「嫌なことは嫌」と言いたいものですが、史織の母には、そう一筋縄ではいきません。母は、がんばって勉強していい中学に入り、レベルの高い教育を受けることが子どもの「将来」のためだと信じています。友だちと地元の公立中学に行きたいという史織の主張をねじふせたうえ、最後の小学校生活を楽しみたいとどんなに訴えても、受験直前には小学校を休むことを強要します。

「六先生を送る会も来なかったの、史織だけだったよ」
「いくら受験でも学校来ないのって、さみしくない?言えばいいじゃん。学校行きたいって」

仲のいい級友からの一言に怒りを爆発させ、さらに9年間がんばったかいもなく中学受験に失敗して地元の中学に進学することになった史織は学校に通えなくなっていきます。

そんな史織のようすを見て、はじめて子どもと向き合うことにした父は佐渡への転勤を決めてきます。

「佐渡に行けば……絶対、学校に行く」

ふりしぼる思いで母を納得させた史織は父についていくことにするのですが、そこで目にしたのは、周囲が何と言おうと夢に向かって邁進する大好きな祖母「さっこちゃん」の姿でした。


さっこちゃんの夢は、映画館のない佐渡にミニシアターをつくること

祖父の亡きあと、二間の和室を改造してミニシアターをつくりたいというさっこちゃんは、精力的で楽しそうです。門の色を塗り替えたり、庭を手入れして流木を置いたり、カフェコーナーで出すコーヒーのブランドにこだわったり、自由な態勢で映画が観られるように座席を工夫したり。

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