学習指導要領の改訂で学校教育が変わる 第40回 国際社会で活躍するための次世代型スキルを育成する
専門家・プロ:藤田由美子
今回は、新学習指導要領に先駆けて、平成24年度からつくば市の全学校で実施されている独自の教育課程「つくばスタイル科」を紹介します。
つくば市独自の教科「つくばスタイル科」を展開
「つくばスタイル科」では、新学習指導要領が施行される2020年以降の学習スタイルを先行して実施しています。そこから新しいかたちの教育の姿が見えてきます。
「つくばスタイル科」はつくば市独自の新しい教科で、総合的な学習の時間のすべて、特別活動、生活科、道徳の一部を活用して独自の学習を展開しています。「つくばスタイル科」では、総合的な学習の時間の目標をふまえながら、「つくば次世代型スキル」の育成を目標としています。
「つくば次世代型スキル」の内容は以下のとおり。
「つくば次世代型スキル」(出典:「つくばスタイル科」単元プラン集)
「つくば次世代型スキル」は、「21世紀型スキル」※と共通している項目があります。
※21世紀型スキル……ATC21s (Assessment of Teaching of 21st Century Skills)が提唱しているスキルで、4つのカテゴリーからなる10のスキルを定義している。
「つくばスタイル科」は、発信型プロジェクト学習と外国語活動から構成されています(以下表)。
発信型プロジェクト学習では、環境、キャリア、歴史・文化、健康・安全、科学技術、福祉、国際理解の7つの内容についての学習をします。
「つくばスタイル科の構成」(出典:「つくばスタイル科」単元プラン集)
プロジェクト学習を推し進め、「主体的・対話的で深い学び」を実現
「発信型プロジェクト学習」は、以下のような学びを通じて、「主体的・対話的で深い学び」を実現しようとしています。
- 主体的な体験活動
- 対話しながら問題解決
- 課題の探究
- 児童生徒の一人ひとりに応じた主体的学び
- プログラミング的思考(論理的思考)力の養成
- チーム弁論やプレゼンテーションを行ない、シチズンシップ(市民性)をはぐくむ。
また「発信型プロジェクト学習」では、学びの3つのステップ(In、About、For)を充実させ、子どもたちの資質・能力を育成し、高めていこうとしています。
「学びの3つのステップ」(出典:「つくばスタイル科」単元プラン集をもとに作成)
つくばスタイル科レポート~生きた情報を入手~
実際にどんな授業なのでしょうか。