シラミの卵とヘアーキャストの違いはまずその形です。卵は髪の毛のある部分に楕円形に付着します。木の枝についたサナギのイメージでしょうか。対してヘアーキャストは円筒状。またシラミの卵はのりでしっかりと髪の毛に付着しているので指で取ることは大変です。一方、ヘアーキャストは髪の毛を包むようにあるだけですので、簡単に動かすことができます。よく見ると異なりますが、遠目ではけっこう区別が難しいようですね。そういえば検診の先生はかなり高齢だったような……。
髪の毛についている白い筒状のものがヘアーキャスト。シラミの卵と形が似ている
今回はシラミの話をしてみました。けっこう怖い印象がありますが、くわしい話を知ってしまうとそんなに怖いものではないということが理解いただけたかと思います。シラミの虫もよく見てみるとド○キーコ○グのようなユーモラスな形もしていますしね。
次回は病気の話を離れて薬の話をしましょうかねえ。
野﨑誠(のざきまこと)わかばひふ科クリニック(東京都武蔵野市・皮膚科、小児皮膚科)院長。国立成育医療センター(小児皮膚科)、東京都立東大和療育センター(皮膚科)勤務。2001年山形大学医学部卒業山形大学医学部皮膚科入局山形県公立置賜病院(山形県長井市)、国立成育医療センター(東京都世田谷区)、はせがわ小児科医院(東京都武蔵野市)などの皮膚科・小児皮膚科を経て、2013年、わかばひふ科クリニック(東京都武蔵野市)開院。院長を務めるかたわら、専門家向け、一般向け、教育機関(保育園、幼稚園、小学校、中学校など)向けの各種講演会、勉強会を精力的にこなす。雑誌他執筆多数。広い年齢層の皮膚病、あざの治療やスキンケアに携わる。
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