子育て情報『「学校と闘う親たち」へ。スクールカウンセラーが伝える問題解決のヒケツ』

2016年10月22日 17:34

「学校と闘う親たち」へ。スクールカウンセラーが伝える問題解決のヒケツ

椅子に座らせ、こちらが名乗ってあいさつした次の瞬間、やさしそうな父親が口を開きました。

「この子が小学校に入ってからずっと私たち親子は学校にいじめられてきました。私たちがいったい何をしたというのでしょうか」。

決して悪意を持って攻撃するような言い方ではなく、むしろやさしく問いかけるような語り口でした。娘さんは高校に入り電車通学時にたびたび乗り間違えをし、遅刻したり帰りが遅くなったりすることがあったようです。「お聞きしたことを学校教育での指導に活かさせていただきます」と伝え、まずはその日の相談が終わりました

教育相談担当教員に、この生徒には注意障害があるかもしれないこと、それゆえ忘れ物をきつく叱ると心が傷つき逆効果になることなどの一般的なことがらを話し、注意障害の対応に従って指導するほうが良いと告げました。

その後、生徒はきつく叱られることなく普通に過ごしていると報告を受けました。その生徒に注意障害の可能性があるかもしれないことが生徒指導教員に伝えられ、蝶ネクタイの忘れ物があってもきつく叱らずただ貸し出せばよいことが伝えられたのです。
このことが学校で共有され、職務上厳しく生徒指導をしなければならないと思っていた教員の意識が変わったのでした。

ただあの時の父親の「私たち親子はずっと学校にいじめられてきた」という言葉が今も脳裏に焼き付いています。学校にその子の特性を理解してもらえず、子どもの奇妙な行動を指摘され続け、親のしつけの甘さなどを暗に批判され、長年親子で悩み苦しんできたであろうことを思うと、申し訳ない気持ちになりました。


母親と学校の間に募る不信感 − 小児科外来の心理相談にて

「学校と闘う親たち」へ。スクールカウンセラーが伝える問題解決のヒケツの画像
出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=11038017467

附属病院の小児科外来で心理相談をしているときにも、子どもの盾となって学校と対峙する親に出会いました。

母親に連れられて、男子中学生が私の部屋に訪れました。母親は、現在子どもが中学校に行けなくなり家にいること、そうなった原因は中学教師が自分の子だけ理不尽に叱ったからであり、その後の学校の対応に誠意がないと訴えました。

小児科を不登校で受診したのですが、医師として行うような治療はないので、心理で話を聞いて欲しいと、私のところへ相談が回ってきたのでした。

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