2016年11月21日 20:00
PDD-NOS(特定不能の広汎性発達障害)とは?自閉症やアスペルガーとの違い、診断・支援方法は?
PDD-NOS(特定不能の広汎性発達障害)とは?
出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=10154001298
PDD-NOSとはPervasive Developmental Disorder Not Otherwise Specifiedの略で特定不能の広汎性発達障害のことです。自閉症スペクトラム障害やアスペルガー症候群などの、他の広汎性発達障害の特徴がみられるが、それらの基準を満たさない場合に診断される障害です。
この障害はアメリカ精神医学会の『DSM-Ⅳ-TR』(『精神疾患の診断・統計マニュアル』第4版テキスト改訂版)という診断基準により分類されたものです。
しかし、2013年、この診断基準の改訂版である『DSM-5』(『精神障害のための診断と統計のマニュアル』第5版テキスト改訂版)において、PDD-NOSは自閉スペクトラム症/自閉症スペクトラム障害というカテゴリに変更されています。そのため、現在はPDD-NOSの診断名が下されることは少なくなりつつあります。
とはいえ、すでにこの名称で診断を受けた人も多いこと、医療機関などでPDD-NOSの名称を使用している場合も多いことから、本記事では『DSM-Ⅳ-TR』において定義されているPDD-NOSについてご説明いたします。
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この障害は、発達障害の1カテゴリーである広汎性発達障害が含む5つの障害のうちの一つとして位置づけられます。(上図参照)
広汎性発達障害が含む5つの障害とは、自閉症、アスペルガー症候群、レット障害、小児期崩壊性障害、PDD-NOSを指します。
この広汎性発達障害という発達障害のグループの特徴として
①対人関係・社会性の障害
②コミュニケーションの障害
③特徴的なこだわりや興味
の3つが挙げられます。
『DSM-Ⅳ-TR』によるPDD-NOSの定義は以下の通りです。
対人的相互反応の発達に重症で広汎な障害があり、言語的または非言語的なコミュニケーション能力の障害や常同的な行動・興味・活動の存在を伴っているが、特定の広汎性発達障害、統合失調症、失調型パーソナリティ障害、または回避性パーソナリティ障害の基準を満たさない場合に用いられるべきである。例えば、このカテゴリーには“非定型自閉症”――発症年齢が遅いこと、非定型の症状、または閾値に達しない症状、またはこのすべてがあるために自閉性紹介の基準を満たさないような病像――が入れられる。