2017年8月17日 17:25
熱性けいれんとは?対処方法やてんかんとの違い、危険なけいれん状態などについて詳しく解説します
てんかんは、意識を失い全身をけいれんさせる大発作、身体の一部がピクッと動く発作、話の途中でぼんやりしてしまう発作などがあり、必ずしもけいれんを伴うものではないことも特徴です。
一般的なてんかん発症率の0.5~1%に対して、熱性けいれんが発症した後のてんかんの発症率は2~7.5%程度といわれています。このため、何らかの関係が存在すると考えられていますが、詳しいことはわかっていません。
http://minds4.jcqhc.or.jp/minds/febrile_seizures/febrile_seizures.pdf
参考:「熱性けいれん診療ガイドライン2015(日本小児神経学会,2015)」
髄膜炎や脳症は熱性けいれんのように発熱とけいれんが伴います。髄膜は脳や脊椎を覆っている膜です。髄膜が炎症することによって高熱、激しい頭痛、悪寒、嘔吐など風邪に似た症状が発症し、けいれんや意識障害を引き起こす場合も珍しくありません。年間1000人の乳幼児が感染する疾患です。脳症はウイルスが直接脳に感染し、炎症を起こすことによって発症する疾患です。
髄膜炎と同様に高熱やけいれん、意識障害がおこります。多いときには年間500人が発症し、1歳をピークに幼児期に感染者が多い疾患です。
http://www.nih.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/404-bac-megingitis.html
参考:細菌性髄膜炎とは|国立感染症研究所 NIID
http://www.nanbyou.or.jp/entry/4513
参考:痙攣重積型(二相性)急性脳症|難病情報センター
熱性けいれんの検査
出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=11017019029
単純型熱性けいれんの場合は自然と治るため特に問題はありませんが、複雑型熱性けいれんの場合はてんかんなどとの合併症の疑いがあるため検査を行います。
検査を行うのは大体2回目のけいれんが起こった後だといわれています。初めてのけいれんでパニックを起こしている状態でよく観察できていない場合や、けいれんが1回だけで終わる人もいるためです。
・てんかんや急性脳症との鑑別が必要なとき
発達の遅れ、発作後のマヒ、複雑型熱性けいれんで部分発作があった場合はCTとMRIを行います。