子育て情報『アスペルガーの私が、大学生活で手に入れたかけがえのないモノ。』

2017年4月14日 11:00

アスペルガーの私が、大学生活で手に入れたかけがえのないモノ。


「できない=バカにされる」だと思っていた私を変えた出来事

アスペルガーの私が、大学生活で手に入れたかけがえのないモノ。の画像

出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=28208001261

私の親は大学教授でした。言いふらすつもりはありませんでしたが、聞かれたら正直に答えていたので知る人は昔から多かったです。ですが親の立派な職業が肩にのしかかり、「できる子じゃなくちゃいけない」と思い詰めていたように思います。

高校までは人に弱いところを見せると負けだと思っていましたし、無駄にプライドが高く人より劣っているということは認めることができませんでした。もともと負けず嫌いということもありましたが、勉強ができないと「親は大学教授なのに…」と周りの人や学校の先生から心ない言葉を投げつけられましたし、もちろん親にも「どうしてこんなにバカなんだ」といわれてきました。そのせいで同級生にも「本当は勉強が分からなくて困っているけど、知られたらバカにされる」と思って虚勢を張り続けていました。

ところが、大学の語学の授業でのことです。
マルクス(Marx)を「マークス」と読み違えた私にクラス中が爆笑し、「ヨーコちゃんがいるからこの授業は癒しの時間になるわ」と言われたのです。そして、あまりに英語ができない私のことをクラスの人はかわいがってくれ、いろいろと助けてくれました。

年度の終わりが近くになると、先生も私が単位を落とさないように気を遣って、こんなことを言ってくれました。「君はお父さんが大学教授らしいね。もう、お父さんに頼んでこの問題を日本語に訳してもらってきなさい。そうじゃないと単位があげられないんだよ。」

勉強はできない私でしたが、先生やクラスのみんなは、私を愛してくれました。それはおそらく、めちゃくちゃな読み方で大爆笑されても、必死に読み続けたこと、まじめに講義を受けて頑張っているのにどうしてもできない事実がみんなに理解されたこと、親の職業を知っていてもヨーコはヨーコとみんなが見てくれたことがあったからだと思うのです。

できないからといって誰のこともバカにしない。
できないのなら助けてあげる。そういう空気が教室にあふれていて、ハリネズミみたいになっていた私の心を溶かしてくれました。

私はそれまで「できない=バカにされる」だと思っていました。しかし、必ずしもそうではなく、努力する姿を愛してくれる人もいるということをこの時学んだのです。

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