解離性障害とは

出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=11044020296
解離性障害は、記憶の一部分もしくは全部をなくしてしまう記憶喪失や、自分が自分である感覚がなくなる、勝手に体が動いてしまう、幻聴・幻視など様々な「解離」症状のために、日常生活や社会生活に支障をきたしてしまう精神疾患のことです。
それでは、精神医学における「解離」とはなんなのでしょうか。「解離」とは、自分の体験した出来事の記憶や考え、感情、行動などの一部を脳が自分の意識から勝手に切り離してしまう現象のことです。
実は、解離性障害の人でなくとも「解離」現象は起きており、日常的に「解離」を駆使して生活をしていることがわかっています。そのため、正常な解離と治療の必要な解離を分けて考えなくてはなりません。
そこで、まずは日常生活で起きている正常な「解離」を具体的な例をあげてご紹介します。
たとえばこんなことを経験したことはないでしょうか。以下にあげる例は、いずれも正常な解離と考えられています。
〇遊びに夢中になって、保護者が名前を呼んでも聞こえていない
→遊びに没頭しているために、自分の意識から遊び以外のことが切り離されている
〇授業中に空想にふけっていて、授業の内容をまったく覚えていない
→空想に没頭していたために、授業参加するという思考や行動が自分の意識から切り離されている
〇会議が退屈で、ぼんやりととりとめもないことを考えていて、気づくと会議が終わっていた
→考えごとに没頭し、会議に集中するべきという考えや行動が自分の意識から切り離されている
〇漫画やスマホに夢中で、友だちに話しかけられても気づかなかった
→漫画やスマホに没頭して、まわりへの意識が切り離されている
〇本を読んでいて、電車を乗り過ごした
→本に没頭して、電車を降りなければならないという思考や行動が自分の意識から切り離されている
〇車の運転をすると、いつもは穏やかな人が汚い言葉遣いをするなど性格が変わる
→穏やかな気持ちや普段とっている行動が自分の意識から切り離されている
〇どうやってペダルをこぐか注意を払わずに自転車に乗れる
→ペダルをこぐという行動が自分の意識から切り離されている
〇ある悲しい出来事を一時的に忘れて、楽しい時間を過ごすことができた
→悲しい出来事についての記憶や気持ちが自分の意識から切り離されている
また、発達過程にある子どもに特有の解離現象「想像上の友だち(イマジナリーコンパニオン)」