2017年5月20日 11:00
不登校の女の子との「無言のカウンセリング」?それでも学校に行けるようになったわけ
その時に親から離れて一人で知らない人と話すことは苦痛でしかないと思うからです。
廊下で待たされ母親だけが診察室に通されると、そこでは自分のことを話しているに違いないが、何を話しているのか気になるでしょう。余計な不安や苦痛を子どもに与えないために親子で話すのです。
まれに母親だけに伝えなければならないことがある場合は、子どもが退屈そうに見えたとき、「退屈なら廊下を歩いてきていいよ」と言って外に出します。時間的に余裕がある環境でしかできないことかもしれません。
カウンセリングというより雑談?それでも続く、奇妙な3者面談
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そういうわけでその母娘との面談はいつも三者で行いましたが、話すのはいつも私と母親でした。
それでも娘さんは毎週来ることを拒まず、一言も話さないにもかかわらず毎回1時間近くその場に座り続けていました。
半年近く話しても事態が大きく変わることもなかったので、話の内容は徐々に雑談に変わっていきます。
明朗快活なお母さんはニコニコしながらたくさんおしゃべりしました。よもやま話になるとつい笑いだすようなことにもなりますが、娘さんはそれでもやはり、無表情のまま。
わずかでしたが相談料を支払っていただいていましたので、談笑でお金をいただくのはどうかと思い、母親に「このまま続けますか」と尋ねました。
母親は「長い目で見なければいけないのは分かっているが、娘と二人でいると気が沈んでしまうので、迷惑でなければ続けさせてください」と言ったので、ひとまず継続することに。
とはいえこのままずっと談笑を続けるというのも気が引けます。なにか改善のきっかけがつかめないかと、私は彼女が在籍する中学校を訪問することにしました。
しかし、娘さんは中学校では人目を避けて登校し、ほとんど相談室で好きな漫画やイラストを描きながら過ごしているとのことで、変化を期待できるような情報を手に入れることはできませんでした。
高校受験が迫ったある日、無言だった娘が、はじめて「やりたいこと」を口にした
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それからも、カウンセラーと母親が談笑するだけという、奇妙な"三者"面談が続きました。