子育て情報『オキシトシンとは?ホルモンの働き、自閉症スペクトラムの新薬開発に向けた研究動向などくわしく紹介します』

2017年6月9日 17:00

オキシトシンとは?ホルモンの働き、自閉症スペクトラムの新薬開発に向けた研究動向などくわしく紹介します


オキシトシンとは?

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出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=10161012811

オキシトシンとは、人間の脳から出るホルモンの一つです。ホルモンとは、体の働きを調整する役割を果たすもので、血液中にある物質です。

オキシトシンは、出産時においては子宮を収縮する作用があり、陣痛をうながす役目を持っています。子育てにおいては、授乳時にオキシトシンの分泌が増加し、乳腺を刺激して母乳を出すように働きます。また、赤ちゃんも抱っこされて乳首を吸う際にオキシトシンが分泌されます。母子の関わり合いの中で、ともにオキシトシンの分泌が促進されていくのです。

また、オキシトシンは出産や子育てだけではなく、男女の愛情にも関わっていることが分かってきています。男女の営みの際には、子宮頸部を刺激することでオキシトシンの分泌がおきます。
それにより、親密感が促進されるといわれています。

また、信頼関係の構築や共同作業にも効果的であるようです。スキンシップからもオキシトシンの分泌が促進されることから、一部では「幸せホルモン」ともいわれています。

妊娠出産に関わっていない女性、また男性にもこのホルモンが分泌されることが、近年の研究で明らかになってきました。オキシトシンによって対人交流や親密感が上がることは、人間に本来備わっている機能であるともいえるでしょう。

http://ci.nii.ac.jp/naid/40020344783
参考:棟居俊夫「自閉症のオキシトシンによる臨床試験の難しさ:その背景にあること」 コミュニケーション障害学, Vol.31, No.3. p.176, 2014.

https://www.jstage.jst.go.jp/article/faruawpsj/50/9/50_913/_pdf
参考:橋川成美「幸せホルモン? オキシトシンが母から子に与える影響」ファルマシア, Vol.50, No.9. p.913, 2014.

http://ci.nii.ac.jp/naid/40020070869
参考:東田陽博ほか「自閉症スペクトラム障害とオキシトシン (特集 自閉症の分子基盤)」分子精神医学, Vol.14, No.2. p.77, 2014.
近年、オキシトシンの研究が進むにつれ、対人交流や親密感の形成が難しい自閉スペクトラム障害のある人に対してオキシトシンを投与することで、他人の感情を読み取る、目を見る、顔を認識するなどといった、対人関係改善のきっかけとなる効果があるのではないかと考えられるようになってきました。

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