2017年8月9日 11:00
不登校支援から生まれた一冊の絵本 ー子どもの「なぜ?」との向き合い方ー
この世には人の数だけ考え方があります。だから、もしかしたら「正解」は存在しないのかもしれません。どんなことに対しても、ただ、多くの人が信じている、イコール正解というだけで……。(同書P53より)
確かに、「周りの意見」が正解につながるとは限りません。自分で考えて、悩んで見つけた答えがその子にとっての一つの答えになることもあります。さらに、その答えも見つかるものと決まっているわけではありません。
「まわりの大人たちの一つの役割は、その子が抱いた一つの『なぜ?』を、本人が逃げずに向き合えるようサポートをすること」(桐生さん)。
一緒に悩む時間を過ごしたり、素直に「答えがわからない」など、考え方を伝えてあげるだけでも、身近な大人ができるコミュニケーションの一つです。
「(これまでの活動を通して)不登校になるなど問題が起きるということは、自分と向き合い始める大きな機会にもなるのではないかと感じました。それは、子どもに限った話ではなく、子どもたちの問題に関わる大人たち自身が自分と向き合う機会にもなります」(桐生さん)
この絵本には、桐生さんの「子どもたちが自分と向き合うことの大切さはもちろん、まわりの大人たちも自分自身と向き合う機会にしてほしい」という想いが込められています。
実際の子どもたちが抱いた「なぜ?」が絵本の中でどのように、語られているのかは一つの見どころです。その疑問を見たときに、大人になった今の自分は何を感じるのか?子どもの時の純粋な好奇心や疑問を思い出す機会になるかもしれません。
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