緊張病(カタトニア)とは?あがり症とは違うの?症状や治療法について解説します。
の2つの治療法があります。
緊張病の治療に用いられる代表的な薬物としてベンゾジアゼピン系のロラゼパムがあげられます。ロラゼパムは以下の4つの作用を持つといわれています。
・強い抗不安作用
・中等度の筋弛緩作用
・弱~中等度の催眠作用
・弱い抗けいれん作用
カタトニア症候群の原因疾患の場合、様々な精神疾患や身体疾患で80%を越える効果がみられますが、統合失調症のカタトニアに対しては20~30%にとどまるという研究結果も報告されています。
ロラゼパムは抗不安作用が強く、即効性も期待できたり肝臓への負担も少ないですが、効果を実感しやすい分、耐性・依存形成を起こしやすいといったリスクもあります。医師と相談してご自分の症状に適した薬物療法を行うことが大切です。
http://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/ResultDataSetPDF/300119_1124022F1083_1_02
出典|ロラゼパム
電気けいれん療法(ECT:Electro Convulsive Therapy)は、頭の左右のこめかみに電極を当て、電気を流す治療法です。
麻酔を使って痛みや苦しみを感じず、また危険な状態にならないように呼吸や循環をしっかりと管理して行っていきます。
大きな副作用が生じる可能性はほとんどなく、一時的なせん妄や頭痛などは生じることがありますが、後遺症が残ることはありません。
電気けいれん療法は、基本的に1回だけでなく、継続的に行います。疾患や症状によって異なってきますが、週2~3回、合計で6~15回ほど行われます。
電気けいれん療法の特徴には以下の3つがあります。
・治療効果は高い
・即効性がある
・効果は短期しか続かないことが多い
また、研究でETC治療において統合失調症における緊張病は71%、気分障害では96%の寛解率(症状が落ち着く度合い)が報告されています。さらに最終章で説明する悪性カタトニアには薬物治療(ベンゾジアピン治療)よりも電気けいれん療法のほうが効果が高いという報告もあります。
悪性ではないカタトニアの場合は、まずは簡便なベンゾジアゼピンを低用量で服用していき、高用量→ECT治療と移行していくケースが一般的です。
ですが身体疾患に伴うカタトニア症候群の場合は、身体疾患に対する治療が必要であったりと、それぞれ原疾患によって適切な治療が異なります。