子育て情報『音楽療法とリトミックの違いって?生きにくさを軽減してゆく「療法」であることの意味』

2018年1月11日 11:00

音楽療法とリトミックの違いって?生きにくさを軽減してゆく「療法」であることの意味

一方、発達障害児向けの音楽療法に携わっている音楽療法士の方に話を聞いてみたところ、「音楽療法」と「リトミック」の一番大きな違いは、セッションの組み立て方にあるとのことでした。

「音楽療法」では、

1. まず診断を受ける(診断)
2. 診断やその子の特性に基づいて個別に目標を設定する(目標設定)
3. その目標を達成するためにセッションを組み立てる(実践)
4. 目標がどの程度達成できたかを評価する(評価)

という「診断」→「目標設定」→「実践」→「評価」のプロセスを対象者ごとに回していくのだそうです。

このプロセスは、こちらの記事でも「音楽療法の流れ」の項目で紹介されています。

日本本学療法学会のWEBページでも、音楽療法の定義について「音楽を意図的、計画的に使用すること」と触れられていることからも、こういったプロセスが大切にされていることが伺われます。

音楽療法とは「音楽のもつ生理的、心理的、社会的働きを用いて、 心身の障害の軽減回復、機能の維持改善、生活の質の向上、問題 となる行動の変容などに向けて、音楽を意図的、計画的に使用すること」と定義します。

http://www.jmta.jp/about/outline.html
つまり、音楽療法は、個人の特性に基づき、オーダーメイド様式で行われるというのです。

確かに息子の音楽療法のセッションも、親と音楽療法士が話し合って、一定期間で到達すべき「目標」を設定しています。
そして、セッションは設定した目標に応じて毎回組み立て直され、使用する楽器や音楽や、その配置まで、常時検討が加えられるのです。
さらにセッションが終わるたびに振り返りの時間を設け、目標が達成できているかどうかを親と音楽療法士が話し合っています。

目標の設定はその子によって違います。息子の場合は、「アイコンタクトが取れるようにする」「先生の真似をする」といった簡単な指示に従うことから始め、設定する目標の難易度を少しずつ上げていっています。息子の場合現在では、「お友達と協力する」「お友達と役割分担をする」といったソーシャルスキルの獲得を目指しています。

このように、「実践」だけではなく、個々人の目標達成のためのプロセスを回していくところが「リトミック」と「音楽療法」の大きな違いであり、「音楽療法」が「療法」と呼ばれる所以なのだそうです。

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