子育て情報『ダウン症のある人の寿命が延びている理由は?現在の平均寿命、成人後や壮年期の生活などについて解説します』

2018年1月4日 11:55

ダウン症のある人の寿命が延びている理由は?現在の平均寿命、成人後や壮年期の生活などについて解説します

しかし、成人期のダウン症のある人について知識を持った内科医はまだまだ少ないようです。

つまり成人期の生活で大切なことは、地域社会の中で仕事や余暇などを楽しみながらいきいきと暮らすことと、適切な健康管理です。現在、生活の幅は広がり、地域生活でのサポート体制も整いつつあります。しかし、健康管理の面ではまだまだ課題があるようです。


ダウン症のある30代以降の人にあらわれやすい、認知機能の低下とは?

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出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=10161018134

平均寿命が長くなってきたことに伴い、近年、多くのダウン症のある人たちが地域の中で元気に暮らしています。しかし、大人のダウン症のある人に関する新たなトピックが注目されるようになってきました。

30代以降、アルツハイマー病と同じ機序によって日常生活の能力や運動能力が低下していると考えられる人がいるのではないか、とする報告がみられるようになってきたのです。ダウン症のある人は、「アミロイド前駆体タンパク遺伝子」という遺伝子が通常よりも多く存在し、その結果、脳の中のアミロイドタンパクが増加してアルツハイマー病と同じような変化を脳内に生じさせるのではないかと考えられているようです。


現在、ヨーロッパの製薬会社などが開発した薬を使って、主に認知機能の低下に対する臨床試験が行われています。日本でも、アリセプト(ドネペジル塩酸塩)などを使用した治験が開始されました。ダウン症のある人の思春期、成人期以降の変化については、研究者のあいだでも様々な見解があります。ダウン症のない人とダウン症のある人の機能低下の症状が同じかどうか、認知機能低下の原因は何か、あるいは寿命に関係があるのかなどについて論じるための累計的なデータはまだ乏しく、分からないことが多いのが現状です。

今後、上記の臨床試験の結果がまとめられ、別の角度からの研究がすすみ、すべてのダウン症のある人たちが安心して成人期を迎えられる日がくることを願っています。

http://www.info.pmda.go.jp/go/pack/1190012F3029_1_24/
参考:『アリセプト』

https://www.amazon.com/When-Down-Syndrome-Autism-Intersect/dp/1606131605
参考:『When Down Syndrome and Autism Intersect: A Guide to DS-ASD for Parents and Professionals』 Margaret Froehlke , Robin Zaborek


まとめ

医学の進歩などにより、ダウン症のある人の平均寿命は長くなりました。

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