2018年4月9日 11:00
発達障害の薬物療法、どのように向き合う? 薬に対する考え方、本人・周囲への伝え方ポイントまとめ
自分の中でようやく決心に至ったのに、家族の意見で、また気持ちが揺れ動いてしまい、煩わしいと感じることもあるかもしれません。
賛否を議論していても、何も決まりません。それよりも、現在の状況について、どのように考えているのか、服薬に際して何を期待し、何を心配しているのかを明確にすると、意外に対立点はないはずです。
また、家族は薬物療法を開始したいという気持ちで一致しても、当の子ども自身が納得しないことがあります。あなたや周囲の大人がいかに困っているかを話して薬物療法の同意を取り付けようとする前に、子どもが薬に抵抗する理由を聞いてみると、「薬を飲むと自分が変わってしまうように感じる」「薬をのむと自分が病気であることを認め、どこか負けたように感じる」「とにかく特別なことはいやだ」など、その子ならではの理由があるものです。
その背景には、発達障害をどのように受け止めているか、発達障害とともに育ちゆくことにどのような経験や思いを重ねているかなど、さまざまな認識が影響しています。薬を飲む・飲まない、ということから離れて、そういう思いの一つひとつを時間をかけて扱うことが大切でしょう。
【Q.4】セカンドオピニオンを受けることも有効?
出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=10186003433
セカンドオピニオンは、かつては「主治医の診断や治療方針に納得がいかないときに受ける」というような印象があり、患者の側も遠慮しがちに希望を申し出ていたところがありました。
しかし、今日では、セカンドオピニオンは、安心して医療を受けてもらうため、医療側から見ても歓迎すべきプロセスとなっており、大学病院などでは重要な役割となっています。
発達障害の診断は、その特性の程度により、どこから診断閾値を超えていると考えているか、医師によって若干異なることも考えられます。また、発達障害の場合、薬物療法を行うか否かは、診断の有無よりも、現在の状況を改善するためにどのような工夫が可能かという見立てによることが多いです。
そのため、これまでの子どもの経過を最も知る主治医が適切な提案をできるとは思いますが、セカンドオピニオンで別の医師の意見を求めることも有益なことがあります。
いずれにしても、発達障害の診療にあたる医療機関は限られています。