子育て情報『アダルトチルドレンとは?症状や、生きづらさの原因は?回復のアプローチや取り組み方も解説します』

アダルトチルドレンとは?症状や、生きづらさの原因は?回復のアプローチや取り組み方も解説します

2018年2月16日 11:00
 


アダルトチルドレンとは?

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アダルトチルドレン(AC)とは、自分は子ども時代に親との関係で何らかのトラウマ(心的外傷)を負ったと考えている成人のことをいいます。

親との関係でのトラウマとなりうる精神的な傷つき体験としては、アルコール依存症や薬物依存症、セックス依存症、ギャンブル依存症、ワーカホリックなどといった嗜癖障害(依存症)の親の元で育つことや、機能不全家族の元で育つことなどが挙げられます。

機能不全家族とは、家庭内で弱い立場にある人に対して、身体的または精神的ダメージを与えるさまざまな要因があり、子育てや生活などが機能しない状態となっている家庭のことです。

機能不全家族においてダメージを受ける存在は、子どもや高齢者である場合がほとんどです。身体的・精神的ダメージの例としては、虐待やネグレクト(育児放棄)といった行為、また家族同士の不仲による対立や生活貧困、子どもに対する過剰な期待などがあります。

親に依存症があったり、虐待などを行う機能不全家族の場合、家庭は子どもにとって「安全な場所」でない可能性があります。そして、子ども時代に受けたトラウマは強い後遺症をのこすことがあります。中にはあまりにつらい体験を認めたくないために、無意識のうちにその経験を忘れてしまったり、自分自身が傷ついていたことすら認識できないという人もいます。

知らず知らずのうちにためこんだ感情が抱えきれなくなった結果、自身も依存症になってしまったり、怒りと攻撃性を爆発させ問題行動を起こす場合(行動化)があります。

一方、目立った問題を起こさない人もいます。ですがそうした人も生きづらさを感じており、二次的に精神疾患を発症することがあります。


アダルトチルドレンの特徴

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アダルトチルドレンは「周囲が期待しているようにふるまおうとする」「NOが言えない」「しがみつきと愛情を混同する」「楽しめない」などといった思考の特徴をもちます。以下はアダルトチルドレンの特徴の一覧です。

・周囲が期待しているように振る舞おうとする
・何もしない完璧主義者である
・尊大で誇大的な考え(や妄想)を抱いている
・「NO」が言えない
・しがみつきと愛情を混同する
・被害妄想におちいりやすい
・表情に乏しい
・楽しめない、遊べない
・フリをする
・環境の変化を嫌う
・他人に承認されることを渇望し、さびしがる
・自己処罰に嗜癖している
・抑うつ的で無力感を訴える。その一方で心身症や嗜癖行動に走りやすい
・離人感がともないやすい

https://www.amazon.co.jp/dp/4313860010/
参考:斉藤学著『アダルト・チルドレンと家族―心のなかの子どもを癒す』(学陽書房1996/4/1) P.96~105

心の問題はさまざまな形で現れますが、アダルトチルドレンに共通してみられるのは自尊感情の低さです。

尊大で誇大的な傾向が目立つ人もいますが、これは自己評価が低く、他人に自分の真価を知られることを恐れていることから来ています。他人の評価を気にするがゆえに、尊大な態度を取り、自分に従う者だけを周囲に集めようとするのです。

人が、自分を価値ある存在とみなすようになるためには、「親のあたたかさ」と「明確に定義された限界」、「丁寧な処遇」が必要だとされています。これらがそろった家庭で育つと、子どもは自尊感情を育みやすいと言われています。

アダルトチルドレンが育つ家庭では、自尊感情を育む条件が欠落しているか、矛盾した形でしか存在しない場合が多くみられます。親が何らかの問題を抱えているため、子どもの心の成長に必要なものを満たせるだけのエネルギーがほとんど残っていない場合が多いからです。その結果、子どもは家族の病の犠牲となり生きづらさを抱えるようになってしまうのです。

精神面で、アダルトチルドレンとしての影響が現れてくるのは思春期以降、さらにはっきりと現れるのは、成人後、20代半ばにさしかかってからとされます。自分の行動、思考、感情や人間関係に支障をきたしたり、なんらかの生きづらさを感じるようになります。理由なく孤独感に見舞われたり、家族との関係がぎくしゃくするほか友人関係や会社での自分の役割、自分の人生の選択などさまざまな場面で違和感を持つことがあります。


アダルトチルドレンと精神疾患との関係は?

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アダルトチルドレンとは、状態像を示す用語で、診断のための医学用語ではありません。

https://www.amazon.co.jp/dp/4883202186
参考:岸田さよ子著『「アダルト・チルドレン」実践篇―家族に潜むコントロール・ドラマ 』(三五館2001/2/9)P54 ~57

ですが、親との関係で何らかのトラウマを負ったことにより、二次的に精神疾患の症状が現れることがあります。

二次的な精神疾患の例としては、
・アルコールなどの依存症
・うつ病
・不安障害
・ひきこもり
・PTSD
・摂食障害
などが挙げられます。

こうした精神疾患の症状に対して医療機関の受診や治療が必要となる場合があります。


アダルトチルドレンが回復するためのアプローチ方法

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アダルトチルドレンは自己認識の概念のため、医療的な治療の対象ではありません。ですが、おのおのが抱える生きづらさを軽減するためのアプローチ方法があります。アダルトチルドレンという概念の生みの親であるクラウディア・ブラックは、回復のための4つのステップを提唱しています。

●過去を探る
過去の事実を認め、そのときの自分の感情を語る。ここで、埋もれていた怒りが出てくるのは、失ったものを悼み悲しむグリーフワークのプロセス。

●過去と現在をつなげる
過去の何が、現在の自分にどう影響しているのか、つかんでいく。現在の自分の課題に焦点を移すステップ。

●自分の中にとりこんだ信念に挑む
自分が「すべき」「すべきでない」と思っているものを点検する。助けになっているメッセージはそのままとっておき、自分を苦しめているメッセージはおきかえる。

●新しいスキル(生きるうえでの技能)を学ぶ
感情を認知し、表現する。助けを求める。問題に向き合って解決する。相手に耳を傾ける。交渉する。限界を設定する。ノーと言う。遊ぶ。リラックスする。決断する……などが、ACに有益なスキル。

出典:クラウディア・ブラック著『もちきれない荷物をかかえたあなたへ』(アスク・ヒューマン・ケア 1998/7/20)P.24-25

https://www.amazon.co.jp/dp/4901030027/
ここでは「過去を探る」「過去と現在をつなげる」「自分の中にとりこんだ信念に挑む」「新しいスキル(生きるうえでの技能)を学ぶ」という4つのステップを習得するための方法と、それがなぜアダルトチルドレンの回復に役に立つのかを紹介します。

グリーフ(grief)とは深い悲しみや悲嘆を指す言葉で、大切な何かを失ったときに起こる身体上・精神上の変化のことをいいます。死別、離婚、引っ越し、失業など、大切なものを失う経験は人生において起こりうることですが、その喪失を受け入れるには一定の手順が必要だとされています。

グリーフワークでは、家族に言えなかったことを一人で、もしくは信頼できる相手の前で口に出してみたり、出さないつもりの手紙を親に宛てて書くなどをし、失われたもの、または最初からなかったものに対して嘆きを表現します。これは「過去を探る」ステップに有用です。

アダルトチルドレンは子ども時代に深い傷つき体験をしているにもかかわらず、自分が傷ついた自覚もないまま成人していることが多くあります。安心して過ごせる子ども時代や、本来の自分自身の姿を失っているのです。嘆きを表現することは、自分が傷ついていたことを認識し、あたらしい気持ちで本当の自分を見つめ直すきっかけとなります。

これは、子ども時代の不適切な環境や、それが原因で生きづらさを感じていることについて、他人に責任転嫁することとは違います。

ナラティブセラピーとは、自らの成育歴を物語として治療者に対して語り、治療者からの助言を得て自分史の再構成を行う精神療法で、これは「過去と現在をつなげる」ステップに有用です。

自分史の再構築を行うことによって、過去や自分自身に対して違った見方ができるようになり、自分本来の個性や力を取り戻していくことができるからです。

認知行動療法とは、物事の受け止め方や考え方(認知)を再検討することで、感情・気分・行動を変えていく精神療法の一種です。これは「自分の中にとりこんだ信念に挑む」ステップに有用です。なぜならアダルトチルドレンは物事の受け止め方や考え方に一定の癖がついている場合が多いからです。

さまざまな出来事を受け止めたり考えたりする際に、「つらさ」があるとき、そこには長年培ってきた「癖(信念)」があるのかもしれません。そこで、いったん受け止めた物事であっても、あらためて考えたり検討するようにします。勝手に浮かんでくる考えと、現実との間の違いを意識するのです。そうすることで、感情や気分、行動に変化を起こしていくことができます。

アサーティブなコミュニケーションとは、相手の権利や要求も尊重することによって、自分の意見や要求を相手が受け取りやすいように伝えるコミュニケーションの方法です。

これは「新しいスキル(生きるうえでの技能)を学ぶ」ステップに役に立ちます。なぜならアダルトチルドレンは自己表現の仕方に問題を抱えている場合が多いからです。

言いたいことが言えず、相手の要求を飲み続ける受身的な態度や、反対に、相手がその発言に至った経緯・権利などを否定することもなく、お互いを尊重し合い、気持ちよくやりとりできる状態での自己主張を目指します。


アダルトチルドレンの回復の取り組み方とは?

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今まで、アダルトチルドレンの回復に向けたアプローチ方法を紹介してきました。では、具体的にはどのように取り組むとよいのでしょうか。ここでは、その取り組み方を紹介します。

子どもの時期を依存症やその他の機能不全のある家庭で過ごした成人(=アダルトチャイルド)の自助グループや当事者会、支援団体もあります。

自助グループの一つアダルト・チルドレン・アノニマス「ACA」では、全国各地にあるグループが自律的に活動を行っています。同じような悩みや辛さを抱えた者同士が「言いっぱなし・聞きっぱなし」で各自の物語を語ることで問題の解決や克服を目指しています。

ほかにも、いじめや児童虐待、言葉による暴力、家族関係、人間関係など、さまざまな要因によるトラウマから生き延びてきた人(サバイバー)たちの回復支援団体である「JUST」などがあります。https://aca-japan.org/
ACAにようこそ!

http://www.just.or.jp/
特定非営利活動法人日本トラウマ・サバイバーズ・ユニオン

臨床心理士やカウンセラーの力を借り心理療法を受けることも、一つの手です。

専門家を探す際は、信頼できる専門家選びが重要です。以下は自分がアダルトチルドレンではないかと悩んでいる場合にカウンセラーを選ぶ際のポイントです。

1、嗜癖についての理解がある。
2、自助グループについての理解がある。
3、アダルト・チルドレンであることや機能不全家族の出身であることが、どういうことを意味するか理解している。ただし、セラピスト自身がそういう家庭の出身者である必要はない。
4、カウンセリングか社会福祉学か心理学の分野で少なくとも修士号を持っている。
5、こちらの質問に喜んで答える。
6、こちらの自己開示を助けるが、セラピスト自身が自己開示的である必要はない。
7、友好的ではあるが、友人になろうとはしない。

出典:ジャネット・G・ウォイティッツ著『アダルト・チルドレン アルコール問題家族で育った子供たち』(金剛出版 1997/10/10)P.194~195

https://www.amazon.co.jp/dp/4772405615/
専門家のもとカウンセリングを行ったり、専門家のもとで同じような問題を抱える人たちとグループでカウンセリングを行うことで回復を目指します。

また困り事を抱える本人だけではなく家族の問題ととらえ、家族に対してもカウンセリングなどのアプローチを行う場合があります。

自分で生きづらさに対処する場合は、書籍を参考にするという方法もあります。手軽に取り組めることがメリットですが、トラウマに向き合う際などはフラッシュバックを引き起こす恐れもあるので、安全を確保した状態で読み、無理しないようにしましょう。


アダルトチルドレンと家族

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アダルトチルドレンは親との関係性の中で傷つき体験をし、トラウマを抱えています。そのような子どもは、自分の傷つきを自覚できると「自分は親のようにはなるまい」と考えます。しかし依存症に関していえば、家系内で代々繰り返されやすいという研究結果があります。物質嗜癖者の60%は、少なくとも一方の親が嗜癖者か、過去に嗜癖者だといわれています。

https://www.amazon.co.jp/dp/441442917X
参考:クラウディア ブラック著『私は親のようにならない―嗜癖問題とその子どもたちへの影響』P.92

また、アダルトチルドレン同士で結婚しやすいともされています。自分自身や結婚相手が、もしくはその両方が自分や結婚相手のことをアダルトチルドレンだと自覚して結婚する人は少ないとはいえ、この現象は世代間をこえて繰り返し起きやすいと言われています。

アルコール依存症という診断で入院している男の患者の2人に1人、その妻の4人に1人がアルコール依存症の父親をもっています。これは遺伝の問題だけではなく、育った家庭の環境要因にも原因があると考えられています。

https://www.amazon.co.jp/dp/4313860010
参考:斎藤学著『アダルト・チルドレンと家族―心のなかの子どもを癒す』P.113

アダルトチルドレンとしての生きづらさはその人個人だけの問題ではなく家族の問題です。子どもを傷つけた親自身、親に傷つけられて育った子どもだったかもしれません。

また傷ついて育ったアダルトチルドレンは、自分が配偶者や子どもを傷つける不安を抱えて生きていることも多いようです。このような世代間の苦しさの連鎖を断ち切るためにできることを紹介します。

親が子どもを将来アダルトチルドレンにしないためにできることとして、以下のことが挙げられます。

1. 親自身が人間として成長するよう努力する
2. 子どもの話に耳を傾ける
3. 子どもに嘘をつかない
4. アルコール依存症について教える
5. アラティーンへの参加を薦める
6. 否認をやめる
7. アルコール依存症への惨害を隠さない
8. 子どもに愛情を示すのをためらわない
9. 子どもに明確な限界を教える
10. 子どもに自分の行動の責任をとらせる

https://www.amazon.co.jp/dp/4772405615/
参考:ジャネット・G・ウォイティッツ『アダルト・チルドレン アルコール問題家族で育った子供たち』(金剛出版 1997/10/10)P.173~180
「子どもを虐待してしまうのではないか」「子どもを将来アダルトチルドレンにしてしまうのではないか」といった悩みを抱える保護者向けのサポートがあります。

社会福祉法人子どもの虐待防止センター(CCAP)は、研修を受けた相談員による電話相談を行っているほか、ケースによっては虐待などの悩みをもつ保護者同士が自分の体験を語ることによる治療的グループケアや、育児スキルトレーニングの教室の実施などを行っています。信頼できる専門機関とつながることで、育児ストレスを減らすことが期待できます。

http://www.ccap.or.jp/02/1tel.html
子どもの虐待防止センター相談電話|社会福祉法人子どもの虐待防止センター(CCAP)

ひとりで抱え込まないことが何よりも大切です。

アダルトチルドレンを生んでしまうのは、故意に傷つける親ばかりではありません。「子どものためを思って…」という親心から、子どもの心を無意識のうちに支配してしまう親もいます。

機能不全家庭のなかで起きている、虐待や過保護・過干渉などさまざまな要因によって、アダルトチルドレンは自己に関するコントロールを失い、自分のことを自分で決めたり、物事を判断したりできないという、依存的な態度を身につけてしまっています。そのため親と自分の境界線があいまいとなっているのです。

親と自分の境界線があいまいな状態のまま大人になると、いつまでたっても心は親に支配されたままです。自分の人生と親の人生との間に境界線が引けるようになることで、自分の中での親の位置付けを変えることができ、親との関係性も変わっていきます。


まとめ

自らをアダルトチルドレンだと自認することは、生きづらさと向き合い、人生を切り開くきっかけとなります。

回復の過程は、一筋縄とはいかないかもしれません。ですが、さまざまなアプローチ方法に取り組むことで、少しずつ自らの人生を歩んでいけるようになっていくことが期待できます。専門家や自助グループなどの手を借りながら、無理のないペースで取り組んでいけるとよいですね。

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