2018年9月4日 07:00
個性的な同級生への初恋から30年。子育てして気づく、伸びやかな発想の彼を支えた親のチカラ
そして親になった今、私はKくんの親御さんの偉大さに気づかされた。
そうめんの件では割愛してしまったが、Kくんが「そうめんを弁当にしたい」「キョンシーの装束をつくりたい」と言い出したとき、親御さんは「やってみなよ」と賛成し、協力を惜しまなかったらしい。そう、彼の伸びやかな発想や行動力の背景には、親御さんの姿があったのだ。
息子と一緒に、どうしたらそうめんが伸びにくくなるか毎週考え、さまざまな案を採用したり、他国の古い民族衣装を型紙から起こして縫い上げるなんて、家庭生活や学業には関係ない。好きでもなければ相当に面倒なことだと思う。
「くだらない。時間の無駄」と、切って捨てることもできたはずだ。それを文句も言わな…かったかどうかは知らないが、とにかく息子の「好き」「やってみたい」という思いを尊重し、サポートし続けるなんて、なかなかできることではない気がする。
近年、冷たいそうめんやそばの弁当がコンビニなどで当たり前のように販売されているのは、かつてのKくんのように「そうめんを弁当にしたい」「そのための労力は惜しまない」という人が存在していたからだろう。一見無駄なように思える発想が、実は有益な何かに繋がるケースがあるということだ。
もし、何の役に立たなかったとしても、好きなことそのものや、それに打ち込んだり、情熱を注ぐ姿勢を、そばにいる誰かに肯定してもらえたら、きっと自信になるし、生きる力にもなるのではないかと私は思っている。
来るべき日には、きっと全力で応援を
出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=10161008982
今年9歳になる息子の興味は、今のところゲームや漫画、アニメなどであり、私はそれらのイラストの模写を頼まれる程度なので、余裕でつき合うことができる。が、しかし、今後何に心を動かされ、何をやりたがるかは分からない。弁当など、料理に関係するものだったら、私も好きだしつき合える。
でもKくんみたいに、満州族の装束を型紙からつくりたいだなんて言いだしたらどうしよう。
正直、裁縫は苦手だ。いや、私の子だ、服どころか甲冑を自作したがるかもしれない。裁縫よりはできるだろうか。…などと、今から案じても仕方ない。とりあえず、可能な限りつき合い、何も手伝えなくても全力で応援はするつもりでいる。