2018年6月14日 11:00
自閉症児の父親として心に決めている3つのこと ~ 妻と子どものためにできるサポート ~
だから、できる限り元気にいて欲しいのが夫としての願いです。
3つ目は息子の成長の可能性を探り、伸ばしてあげることです。
息子は言葉を話すことが困難なタイプですので、発話がほとんどありません。診断された当時は、息子にこちらの話は通じておらず、コミュニケーションはできないものだと考えていました。
しかし、息子と一緒に過ごす中で、彼には意思があり、状況や話を理解していることが分かってきました。教えたことを覚えたり、話したことを行動することが少しずつできるようになったからです。
少しずつ自閉症を理解をしていく中で、「できるようになるためには、どうすればよいか?」と思うようになっていた私は、「『声』というアウトプット手段が難しいのであれば、他の手段を習得すればよい」と考えました。それから紙と鉛筆で文字を書く練習を始め、今ではパソコンのタイピングの練習をしています。
文字にすれば1文で済んでしまう簡単な話ですが、実際は苦節2年程の時を経て今があります。そもそも鉛筆を握れないところから始まり、線をなぞれない、なぞれるようになっても時には完全に無視することがありました。息子の集中力が切れて1枚のプリントを終わらせるのに2時間かかる日も…。
でも、諦めずに可能性を頼りに継続して進めてきたことにより、確実に前進しています。
実際に息子がタイピングの練習をしている動画がこちらです。
私も「タッチパネルの製品を使おう」と言ったり「好きな数字のタイピングから始めてみよう」「文字のタイピングの前にローマ字を覚えよう」という提案をしながら一緒に進めてきましたが、この練習を全面的に支えてくれたのは妻です。妻のひたむきさと息子自身の努力の成果なので、2人に本当に感謝しています。
妻と息子が幸せであるために
出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=11038023359
私は、父親として妻や息子に幸せであって欲しいと願っています。
そして、そのように導くことが使命だと思っています。これらは自閉症とは何ら関係はありません。
今は私たち家族に自閉症という要素が入りましたが、それによって妻や息子が不幸になるものではなく、私たち家族がどのように行動するか?ということが少し変わっただけです。
どのような状況下にあっても、まずは父親である私自身が自ら心に決めたことを、継続していくことが全てだと感じています。