子育て情報『【発達障害 子育て】息子の言葉に感情が宿った?自閉症児の育児、今までで一番嬉しかったこと』

2018年9月11日 14:00

【発達障害 子育て】息子の言葉に感情が宿った?自閉症児の育児、今までで一番嬉しかったこと


自閉症の息子、リンゴの銘柄は言えても「買って」とは言わない…

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出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=28057000580

幼いころ、息子はリンゴの銘柄にこだわりがあり、スーパーに行くと、リンゴの棚の前で「ジョナゴールド・津軽・紅玉・シナノゴールド・秋映・王林…」と覚えている銘柄を順に言っていました。

けれども、「ママ、このリンゴ美味しそうだね。買って~買って~」と言うことはありませんでした。

息子は、スーパーの中だけでリンゴの銘柄を唱えていたのではありませんでした。動物園など、リンゴなんて目の前にない場所でも、銘柄名をお経のように唱え続けるのでした。これは言葉を使ったコミュニケーションとは言えません。



「伝えたい気持ち」があるかどうか

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Upload By 立石美津子

言葉だけのトレーニングをしても単語を単に覚えるだけ。言葉を使ってしゃべるようには、なかなかなりません。

息子が意思のある言葉を発したきっかけは、「うどんを最後の1本まで食べたい、器を下げようとしている店員に何がなんでも伝えたい」という強い動機があったからです。

「どうしても言葉を使って伝えたい」という動機。この動機づけこそが、言葉を話すようになるための第一歩です。本人が「そうしたい」という気持ちになるまで待つしかないのです。

おもちゃで遊んでいるときに、友達に奪われそうになって「嫌だ」と言う。カレーライスが食べたいとき「カレーライス」と叫ぶ。
結果、自分の希望が通る。

こうして「自分の気持ちを伝えるためには便利な“言葉”というものが、存在するんだ」ということを体験させるしかないのです。それまでは、周りの人たちは、ただ単語をインプットさせようとするのではなく、「思いを伝えるための言葉」で語りかけ続け、ときが来るのを焦らず辛抱強く待つしかないのだと思います。

5歳ではじめて意味のある言葉を発した息子。その後、少しずつ、伝えたい気持ちも言葉も発達していきました。今、18歳になった息子は悪い言葉も覚えて、私があまり構い過ぎると「まじ、しつこい」と連発します。

母として眉をひそめながらも「友達の真似をして、母親に言葉で感情をぶつけられるようになったなんて、昔に比べたら成長したなあ」と心ではひそかに喜んでいます。

2018年9月10日、医師・松永正訓氏が立石親子を取材、書き上げた新刊が発売に。
発達障害がある子と母の、幼児期から今までに渡る育児について綴られています。

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