Q. 発達障害の定義を教えてください。
A. 生まれつき脳機能の発達に凸凹があるため、さまざまな発達の遅れがみられ、社会生活に困難や支障がある状態のことを言います。

Upload By 井上 雅彦
日本で使われる主な定義は、医学的な診断基準として使われるものと、さまざまな法制度がかかわる行政・法律における定義があり、それぞれ若干内容に違いがあります。
代表的なものとして、精神医療の診断基準として用いられることの多い「DSM-5(精神障害の診断と統計マニュアル第5版)」と日本のさまざまな法制度の根拠となる「発達障害者支援法」の二つを紹介します。
■医療:アメリカ精神医学会の診断基準の「DSM-5(精神障害の診断と統計マニュアル第5版)」
「DSM-5」では、「発達障害」ではなく「神経発達症群/神経発達障害群」という名称になっています。ここには、知的能力障害群(知的障害)、コミュニケーション障害群(吃音など)、自閉スペクトラム症/自閉症スペクトラム障害、ADHD(注意欠如・多動症/注意欠如・多動性障害)、限局性学習症/限局性学習障害(ディスレクシアなど、いわゆる「学習障害」)、運動症群/運動障害群(発達性協調運動障害、チックなど)が含まれます。定義については以下をご覧ください。
神経発達症群とは,発達期に発症する一群の疾患である.この障害は典型的には発達期早期,しばしば小中学校入学前に明らかとなり,個人的,社会的,学業,または職業における機能の障害を引き起こす発達の欠陥により特徴づけられる.発達の欠陥の範囲は,学習または実行機能の制御といった非常に特異的で限られたものから,社会的技能または知能の全般的な障害まで多岐にわたる.
(日本精神神経学会 (監修), 高橋 三郎 (翻訳), 大野 裕 (翻訳), 染矢 俊幸 (翻訳), 神庭 重信 (翻訳), 尾崎 紀夫 (翻訳), 三村 將 (翻訳), 村井 俊哉 (翻訳)『DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル』2014年・医学書院p31より引用)
https://www.amazon.co.jp/dp/4260019074/ref=cm_sw_r_cp_ep_dp_PAkMBbYY199H2https://h-navi.jp/column/article/35026307
DSM-5(精神障害の診断と統計マニュアル第5版)