2018年10月19日 14:00
【専門家にきく】ADHD(注意欠陥・多動性障害)の定義は?
Q. ADHD(注意欠陥・多動性障害)の定義は?
A. 文部科学省では「年齢あるいは発達の水準に釣り合わないような注意力、衝動性、多動性があることで、社会生活や学業、職業の面で支障をきたす」と定義されますが、ADHDの定義は複数あり、診断基準や使われるシーンによって変わります。
Upload By 井上 雅彦
ADHDの定義については、いくつか種類があります。その定義が定められた年代や、考え方、使われるシーンによっても、定義される内容や疾患概念、発現年齢も異なります。
現在日本で使われることの多い代表的な定義として、主に学校教育の場面で用いられる文部科学省の定義と、医療の診断基準として用いられる「DSM-5」を紹介します。
■教育:文部科学省の注意欠陥/多動性障害(ADHD)の定義
ADHDとは、年齢あるいは発達に不釣り合いな注意力、及び/又は衝動性、多動性を特徴とする行動の障害で、社会的な活動や学業の機能に支障をきたすものである。
また、7歳以前に現れ、その状態が継続し、中枢神経系に何らかの要因による機能不全があると推定される。
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/tokubetu/004/008/001.htm
■医療:アメリカ精神医学会の診断基準の「DSM-5(精神障害の診断と統計マニュアル第5版)」
「注意欠如・多動症/注意欠如・多動性障害」として、不注意または、多動性、衝動性が持続的にあり、機能や発達を妨げている状態が、12歳までにあらわれるとされています。
https://h-navi.jp/column/article/35026307
DSM-5(精神障害の診断と統計マニュアル第5版)について詳しく知る
■行政・法律:日本でのさまざまな法制度の根拠となる「発達障害者支援法」
またADHDは法制度の根拠として定められている「発達障害者支援法」では、「注意欠陥多動性障害」として、発達障害の一つとして定義されています。
症状があらわれる時期などは、それぞれの定義によって違いはありますが、共通して言えることは、これらの不注意、多動性、衝動性などの症状が6ヶ月以上持続することと、これらの症状のために社会的な集団参加や学校生活に支障をきたしていることです。
もっと詳しく知る
https://h-navi.jp/column/article/97
ADHD(注意欠陥・多動性障害)