子育て情報『最新テクノロジーが吃音ケアを変える⁉︎疑似体験で苦手克服を目指す「VRアプリ」実用化 へ』

2019年2月6日 07:00

最新テクノロジーが吃音ケアを変える⁉︎疑似体験で苦手克服を目指す「VRアプリ」実用化 へ

ほかにも、地方に住んでいる当事者にとっては、そもそも治療を受けられる機会や場所がないというケースもあるでしょう。

そこで、「このVRbakでバーチャルリアリティのアプリケーションを用いて、いつでも、どこでも誰でも受けられるようにしたいと考えた」からだと、福岡さんは言います。


吃音のケアに新しい可能性を切り開いた、当事者としての経験

実は、福岡さんも8歳のときから吃音の症状があります。当時は、なぜ自分が普通に話すことができないのかがわかりませんでした。周囲の理解も得られない中、流暢に話せない自分を責め、自己肯定感も下がり続けていった経験がありました。

大学でデザインを学んだ福岡さんは、デザインにテクノロジーを掛け合わせて、新しい側面から吃音のケアに対して何か貢献できないか、と考えるようになったそうです。そして、その思いに共感した人たちが集まり、研究や開発が本格化していったのです。

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福岡さんによると、近年、アメリカではARやVRなどのXR産業が非常に注目されているそうです。
そんな中、VRbalは、福岡さんの大学院時代の論文から生まれました。

福岡さんのアイデアに共感し、コロンビア大学、ニューヨーク大学、パーソンズスクールオブデザインなどさまざまな学校から異なる背景を持ったメンバーが集まり、現在の「VRbal」開発チームができたのだといいます。

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福岡さんはまた、VRbalに先駆けて、日本で吃音に悩む人たちへの理解を広げるために吃音の疑似体験ができる「STACHA」も開発しています。

「STACHA」では、微弱な電気を喉に流すことで、筋肉を収縮させ、発声しづらくなる状態をつくります。これは、難発、連発、伸発といった吃音の症状のうち、難発性吃音を疑似体験できるものです。自分の意思でコントロールすることが難しい吃音について、こうしたツールを使って体験することで、当事者が感じている困難さを理解してほしい、福岡さんはそう願って開発したそうです。

「STACHA」について、福岡さんは、「SXSWのInteractive Festival」で展示やプレゼンなども行ったそうです。デバイスを体験できるようにしたので、会場ではさまざまなバックグラウンドを持つ多くの人に、吃音症の疑似体験をしてもらえる機会となったそう。

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