2019年2月4日 07:00
かんしゃくは「助けて」のサイン?漢字が苦手な自閉症長男が変わった秘密は、あの人気ドリルと手作り教材
毎日の宿題がつらすぎる。ひょっとして「学習障害」もあるの?
自閉症スペクトラム障害のある小学3年生の長男は、自分の興味のない事にはなかなかとりくめず、小学校入学当初はよく癇癪をおこしていました。
とくに漢字の宿題が苦手で、ドリルからノートに写すことをやりたがらず、漢字をマスにおさめるのも難しい…。文字の誤りを指摘すると机をたたきはじめ、冷静ではいられませんでした。
でも、やる気になれば、ノートを写すことはできます。おちついていれば、文字をマスにおさめて書くこともできます。だから私には、怠けているようにも見えて、イライラと怒ってしまう。そんな毎日が耐えられないと感じていました。
「でもどうして、低学年の宿題で毎回こんなに怒らなきゃいけないんだろう?」
「どうして、こんな大きなマスに字をおさめられないんだろう?」
「宿題をやっているのに、単元テストで漢字の点が全然とれないのはなぜなんだろう?」
「鏡文字がなかなか無くならないのは、なんでだろう?」
毎日の宿題のあまりの大変さに、「ひょっとして学習障害があるの?」と、学習障害という言葉が頭をよぎりました。
そこで、専門家に相談してみました。すると「癇癪を起こすのは子どもが苦しんでいることを表しているんですよ。癇癪をおこさずにできるところまで、手助けをしてあげた方がいい」とアドバイスされました。
あまりに癇癪がひとく、漢字の勉強も難しかったため、2学期からは通級で漢字学習に取り組んでもらうようになりました。また、「長男は怠けているのでなく、苦しんでいるのかもしれない…」そう気づいたところから、長男の特性に合った家庭での支援も始めました。今回のコラムでは、現在わが家で行っている「国語の漢字の支援方法」を紹介します。
診断をまたず、すぐに対応をはじめた
医療機関での診断がついてから、支援を始めるご家庭も多いかもしれません。
でも診断がついたころには、子どもは努力しても報われないことを経験し、怠けていると勘違いされて傷つき、学習そのものへの意欲を失っている状態になってしまうかもしれません。
ある療育病院でひらかれた勉強会に参加したとき、「診断をまたずに考えられる支援を始める事が大切」だと言う臨床心理士さんの言葉に出あいました。その言葉を聞いて、改めて「診断を待たずにすぐ動く」のは間違っていなかったと思いました。