2019年2月21日 07:30
孤独に奮闘するママの一人として。自閉症子育ての経験を描いた漫画『ムーちゃんと手をつないで』
と、まるで昼間の育児をサボっているように言われたりしましたが、
午前も午後も外へ連れ出してもムーちゃんの興奮状態は続き、
ベビーカーでのうたた寝程度の昼寝を加えても、一日トータルで6時間程度しか眠らない子でした。夜間も何度も起きては泣く細切れ睡眠。泣かれては起きて抱っこで家の中をウロウロ歩き寝かしつけ、やっと寝たと思っても20分後には再び泣き出す…。
私は次第にいつが昼でいつが夜だか分からないような感覚になってゆき、
精神的におかしくなっていったのです。
そんな自分を救ってくれたのは、
ネット上に綴られた顔も知らないよそのお母さんの言葉。
ネットを開けば、障害者やその親に対する心無い言葉に出会うこともしばしばあり、
当時明らかに様子がおかしかった私は夫にネットを禁止されていました。
しかし、それでも藁をもつかむ思いで私は自分の苦しみを解ってくれる「誰か」の言葉を探しに、時々ネットを開きました。
どこかで自分と同じように苦しみ、ときに喜び、
そして後へ続く者に励ましの言葉を投げかけてくれる見知らぬお母さんたち。
いつか私もそうありたい。
暗闇で孤独に戦っている人に光を届けたい。
そう思って過ごした10年分の思いを、人としても漫画家としても、
そして母親としてもまだまだ未熟者ではあるけれど、
持てる力の限りを尽くして作品に込めたい。
今、あれだけ苦しいと思って過ごした日々は私の糧となり、
課題山積みの毎日に変わりはないけれど、
自閉症者である娘に人としての未熟さを教えてもらえたことに
感謝している自分がいます。
色んなことがあったけれど、そのどれもが今に至るために必要な経験で、
きっと神様が私たち夫婦に何かを学ばせたかったからに違いないと思っています。そしてその学びはこれから先もずっと続くのです。
子どもたちが巣立つまで、長い長い道のりを少しでも楽しく歩くために
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最後に、2児の母となった今思うことは、
育児は発達障害があっても、定型発達でもやはり一大難事業。
子どもたちが巣立つまでのその気の遠くなるような長い長い道のりを少しでも楽しく歩くためには、
人と人とが支えあい、認めあい、喜びあえる社会であってほしい。
私の子育てはまだまだ始まったばかり。
これから先も色んなことがあるでしょう。
だからこそ言わせてください。
苦しさの中に喜びの芽を見つけて一緒に育てていきましょう。
私は今日もそう思いながら机に向かっています。
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