子育て情報『居場所がなかった発達障害育児。たどり着いた「療育センター」が親子のオアシスになったワケ』

2019年3月25日 16:30

居場所がなかった発達障害育児。たどり着いた「療育センター」が親子のオアシスになったワケ

それが子育ての先輩としての“親切心”で発した言葉だったとしても、私にはとてもきつい言葉でした。

一人で抱えきれないショックと悲しみでいっぱいになった私は、親子教室の先生に電話をしました。「帰省した時、親戚に『あなたの子は施設に入れた方がいい』と言われました。娘はすぐにどこかの施設に入れなければならないほどなのでしょうか?」

話をしている途中で何度も言葉に詰まってしまったので、私が泣いていることは気づいていたでしょう。でも、先生はじっと話を聞いてくれました。そして穏やかにこう言ったのです。

「ここも“施設”なんですけどね。」


私たちにとって、親子教室はどんな存在だったのか

今思えば、親子教室で行っていた遊びや体操は、療育そのものでした。

例えば、教室の時間中は、子どもが勝手に開けて出て行かないように、ドアには「×」マークの紙が貼られていました。
口頭で「部屋の中で過ごします」「一人で外に行きません」と言うだけでなく、視覚的にも分かりやすい工夫がされていたのです。

また、親子教室は、子ども達がおのおの好きなおもちゃ遊びを堪能した後に始まるのですが、そのためにおもちゃを片づける時も、次の「楽しいこと」に向けて見通しを持たせたうえで、親子で一緒に片づけをしていましたし、片づけが済んだらサッとおもちゃの棚を布で目隠しして、子ども達が次の活動に集中できるような工夫がされていました。

始まりの会では、ピアノに合わせて名前を呼びます。子どもが返事をできると、自然と先生や参加している親子から拍手が沸き起こりました。

昔ながらの童謡に合わせた親子体操では、普段は抱っこや手つなぎを嫌う子どもたちと自然に触れ合うことができました。紙芝居は、『じゃあじゃあびりびり』や『もこもこもこ』など、物語重視というよりも視覚優位の子どもの興味を引くものを中心に選ばれていました。

先生は私が娘の行動への対応に困った時、さり気なくフォローをしてくれました。でも決して、「こうした方がいい」とか「こうしなければならない」などと言うことはありませんでした。
だから私はプレッシャーを感じることなく、自分のできる範囲で先生のすることをまねたりしていました。

親子教室で行われていることや工夫には、障害のある子どもとの接し方に悩む親へのヒントがたくさんありました。また、それだけでなく、教室ですごす時間は、純粋に親子で楽しく過ごせ、悩みを相談でき、元気をもらい、笑顔になれる、かけがえのないものでした。

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