2019年9月24日 08:00
保護者も熱望!障害がある子のコミュニケーションをもっと豊かに――特別支援学校の先生考案「きもち・つたえる・ボード」。製品化に向け、クラウドファンディング実施中
その効果とは、次のようなものです。
・答えている人の話を最後まで聴くようになった。
・答えている人に注目するようになった。
・リアクション(反応)を相手に示すようになった。
・ゲームに主体的に取り組むようになった。
下のグラフは「指導2」からリアクションボード を使って、子どもたちの変化を分析したものです。
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ボードで自分の感想を示そうとすると、自然と相手の話を最後までよく聴くようになります。また、自分の感想に近いものはどの言葉が書かれたボードなのかを考えるようにもなります。
もうひとつ、佐藤先生から伺ってなるほどと思ったのは、話を聴いている間、ボードを手にしていると落ち着く子がいるそうです。コミュニケーションと直接関係ないかもしれませんが、ボード効果の副産物といえそうです。
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相手の目にどう映っているのかを考える
ボードの特徴のひとつが、表と裏で言葉とイラストが異なっていることです。たとえば、「なるほど〜」の反対面は「え〜!」というように。異なる両面。
これも教材の大きな狙いです。
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「なるほど〜」と思ったからといって「なるほど〜」の面を自分に向けてしまうと、相手には「え〜!」の面を見せることになります。
自分の差し出したボードが相手の目にどう映るか。相手の視点に立ってボードを使うことが他者理解につながる。このように考えて、佐藤先生はボードの両面をあえて変えました。
ちょっと話がそれますが、「相手の目」ということで付け加えたいことがあります。
「人の目を見て話すのが苦手という子は、下を向いたままボードを差し出すだけでいいんです。それだけで伝わります」と佐藤先生。なるほど、ボードが自分の気持ちを代弁してくれるので、相手の顔を見なくてもすみます。
「話を聴くこと」や「自分の意思表明」に課題がある子、加えて相手の目を見てコミュニケーションをとるのが苦手な子。ボードは、いろいろなタイプの子どもたちの助けにもなります。どの子もコミュニケーションゲームを楽しめるためには、このような行き届いた配慮が必要なんだということを、佐藤先生に教えていただきました。
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