2019年10月31日 17:30
【アスペルガー症候群】0歳から成人期まで、年齢別の特徴や症状の現れ方を解説します
ですから、すぐにアスペルガー症候群の診断がでることはありませんし、またアスペルガー症候群の症状は他の発達障害の症状と共通するものです。しかし、アスペルガー症候群と診断された人達は乳児期に特徴的な行動を共通してとることが多いです。それらを紹介します。
親が目を合わせようとしても視線が合いづらかったり、笑いかけても反応しないなども特徴の一つとして挙げられます。乳児が母親の動作をまねることを「動作共鳴」といいますが、アスペルガー症候群のある乳児はこの「動作共鳴」が苦手とされています。焦点が合いづらく、目を合わせようとしないことはアスペルガー症候群の症状の一つである可能性があります。
幼児(2歳〜小学校就学)
言葉を覚え出し、会話ができるようになる幼児期のアスペルガー症候群の症状の現れ方をみていきましょう。このころになると症状が見えやすくなり、アスペルガー症候群があるかの判別がしやすくなります。
例えば、母親が怒るときに見せる表情や、空気を読み取ることが苦手です。何かしようとしたときに母親が怒った表情をしてその行動を止めようとしても、構わず動作に移します。言葉ではっきりと説明しないと理解しにくいのです。
幼児は、数回同じ行動を繰り返すことで、「やってはいけないこと」や「言われなくても分かること」が増えてきます。しかし、アスペルガー症候群のある幼児は、その都度説明しなければ理解しにくいとか、具体的に言われないと理解しづらいという特徴があります。また、注意された内容から応用して考えることも苦手なので、繰り返し伝えたことは理解できても、少し環境が変わると理解できないことがあります。
幼児期ともなれば、同じ月齢の子たちと一緒に遊ぶことを覚えます。通常であれば自然に他人との関わりを持とうとしたり、他人に興味を持って輪に入ろうとするのですが、アスペルガー症候群のある幼児は、公園などで同年代の子が遊んでいても一緒に遊ぼうとしないことが多いです。
もちろん恥ずかしがり屋で輪に入れない幼児はたくさんいますが、人間関係をうまく築けないことはアスペルガー症候群の一つの特徴として挙げられます。
小学生(6歳〜12歳)
本格的な集団行動が始まる小学生のころになると、本人がその環境で過ごしにくくなる場面が増えてきます。周囲の理解が必要になってくる時期でもあるので、保護者や周りの大人たちは具体的な対応を考えるようにするとよいでしょう。