2019年10月31日 17:30
【アスペルガー症候群】0歳から成人期まで、年齢別の特徴や症状の現れ方を解説します
場の空気を読めないことで友人関係がうまくいかなくなったり、周りから浮いてしまうことで孤立してしまうケースがあります。最悪の場合はいじめに発展したり、それを原因として不登校になってしまうこともあります。不登校の要因としては、人間関係だけでなく、学習面が原因となることもあるため、登校渋りなどが生じた場合は学校と連携しての早期の対応が重要になります。
成人期(18歳〜)
社会生活を送っていくためには、周りのサポートや理解はもちろん、何より本人が自分自身を理解し、対処法を用意しておくことが重要です。
障害特性によるコミュニケーションの苦手さや、周囲の状況を判断して協調することの困難さ、不注意・こだわりなどにより、仕事上のミスや、遅刻、スケジュール管理ができない、手際が悪いなどのマイナスな評価が多くなってしまうことがあります。また、職場での付き合い、上司との関係に悩んでしまうこともあります。自分自身の得意なところや苦手なところを理解し、苦手な部分の対処法を考えたり、相談できる人を増やしたりすることが大切です。
周りに理解を得られないまま困難な人生を送ってきたことから、いわゆる「二次障害」を引き起こしてしまう可能性が高くなります。
うつ病になったり、パニック障害を併発したり、ひきこもりや家庭内暴力などを起こしてしまう場合もあります。早めに支援機関・医療機関に相談するようにしましょう。
アスペルガー症候群をもっと知るためのリンク集
「もしかしてアスペルガー症候群?」お子さんの発達等について、気になる症状があるときには、次のコラムが参考になります。
まとめ
アスペルガー症候群は、年齢・成長発達の段階によって目立つ症状が異なります。
早期に特性に気づき、一人ひとりに合った環境をつくること、適切な教育を行っていくこと、苦手なことの対応方法を工夫していくことで、逆に特性を強みとして活かすこともできます。ご紹介したさまざまな症状に気づいたら、早めに専門機関に相談するなど、アスペルガー症候群がある人にとって必要な支援が得られる体制をつくれるようにしましょう。
アスペルガー症候群は、2013年に発行されたアメリカ精神医学会の『DSM-5』(『精神疾患の診断・統計マニュアル』第5版)で「自閉症スペクトラム障害(ASD)」の中にまとめられていますが、世界保健機関(WHO)