2019年12月27日 10:00
医療少年院の職員と少年がASDのある人の知覚世界をVR体験――知的障害や発達障害がある少年たちの支援での配慮を考えるワークショップを開催
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職員向けのワークショップには、約50名の職員ほぼすべてが参加しました。
2日目は少年たちに向けて、発達障害や特有の感覚についての授業を行い、14歳~21歳までの少年たち41名が参加しました。
職員対象ワークショップで、VRを通して特有の知覚を知る
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ワークショップではまず、ASDがある人に多い視覚の特性や、感覚過敏についての講義と、講義で紹介した特有の知覚について、VRを使って疑似体験をしました。
今回紹介したのは、ASDがある人の中でも多くの人に共通する3つの視覚の特徴です。
視覚過敏がある人は瞳孔の調整に時間がかかったり、調整がうまくできなかったりすることがあり、明るいところでの「まぶしく、真っ白になって見える」状況が、長く強く続く。
人間の瞳は周辺視野に相当する網膜では色を知覚していないが、中心視野で知覚した情報を脳の中で統合することで、視野全体に色がついているように認識している。視覚過敏がある人は、速い動きのものを見たときなどにこの処理が難しくなると考えられ、今までカラーで見えていた世界が急にモノクロに変わったりすることがある。
うるさくたくさんの人がいるなど動きが多くある場所だと、視覚に砂嵐のようなノイズが重なって見えることがある。そのため、周りの人の顔などもよく見えない、落ち着かないといった状況になりがちである。
https://h-navi.jp/column/article/35026984
参考:「自閉スペクトラム症の人が見ている世界」の疑似体験で、行動の意味や困難さを理解する取り組みとは?
こうした感覚について、科学的な根拠を頭で理解し、またVRで体感するという両面からのアプローチを行いました。
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講義を受け、疑似体験をした職員は、それぞれ実際の指導の場面や少年たちの感覚の過敏さなどについて具体的な事例に絡め、考えを深めていきました。グループに分かれてのディスカッションでは、支援の中でどのような配慮ができるのかなど、一人ひとりの特性を思い浮かべながら話し合いが行われていました。
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その中で、職員の皆さんから長井先生へ、さまざまな質問が寄せられました。