子育て情報『「自分は一体、何者?」幼い頃から抱いた疑問。ASD当事者の「物語」が道を開いてくれたーー研究者・綾屋紗月さんインタビュー・前編【連載】すてきなミドルエイジを目指して』

2020年10月28日 08:00

「自分は一体、何者?」幼い頃から抱いた疑問。ASD当事者の「物語」が道を開いてくれたーー研究者・綾屋紗月さんインタビュー・前編【連載】すてきなミドルエイジを目指して

あともう一歩行きたいというときに、自分のキャパシティを踏まえて「いやいや」と撤退することが増えましたね。

「実際はそんなにいいものじゃないよ」と言われても、ワイワイ楽しんでいるところを見ると惹かれるんですよ。先日も学生街の駅付近で盛り上がっている人たちを見かけて、面白そうにしているなあと近くに寄ってみたら、思ったよりもドロドロした感じであまり楽しくなさそうで。「遠くから見ると楽しそうでも、近くではこんな感じなのかあ」となんだかしょんぼりして帰ったり(笑)。

わたしは「セクシャルよりソーシャルが好物です」と表現しているのですが、触れるだけで痛い感覚過敏の特性も影響しているのか、恋愛などのセクシャルな関係への欲望よりも人の輪に入っていくというソーシャルなことへの欲望が強いんです。今は、適度な社会的なつながりを仕事を通じて得られているので、それがすごく幸せですね。

(後編に続く)

「自分は一体何者なんだろう」と、ずっと違和感や疑問を抱いて生きてきたという綾屋さん。自分の経験に意味付けをし、記憶を整理することができたのは、同じASD当事者の物語との出会いがきっかけでした。


インタビュー後編では、綾屋さんが取り組む「当事者研究」について、そして、研究を続ける中で出会った仲間たちとのつながりについてお話しいただきます。

取材・文:姫野桂
編集:鈴木悠平・佐藤はるか
撮影:鈴木江実子

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