教室から毎日脱走!?活動に集中できない年少自閉症息子。心配な母がこっそり見守るも…
毎日教室から脱走?自閉スペクトラム症の息子、幼稚園での様子
スバルは一対一なら話が通じ、人が好きで、さらに興味がある事には集中して座っていられるので、2歳でプレ幼稚園に入るまでは「言葉が遅い以外に困り事はない」と思っていました。
プレ幼稚園では、先生がクラス全体に呼びかけた「お片づけの時間だよ」などの指示が通らなかったり、私が膝の上でホールドしていないと絵本の時間に歩き回ってしまったりと、集団生活の中でのスバルの様子を始めて知ることとなりました。
クラスメイトたちが入園から3ヶ月ほどで母子分離通園になっていく中、スバルと私は居残りで母子同伴通園を続けていました。
そして3歳で自閉スペクトラム症と診断されたと同時にプレ幼稚園は退園に。その後信頼できる幼稚園と出合い、無事に年少から入園することができました。
しかし、入園直後のスバルの連絡帳には毎日「今日も廊下の窓から駐車場の車を見ていました」と書かれていました。
休憩時間の話ではありません。クラス活動の時間中に脱走しているのです。
私は不安と心配と先生への申し訳なさから、いても立ってもいられず、用事で幼稚園の近くを通るたびフェンスの外から中の様子をうかがっていました。フェンスにかじりついて幼稚園の中の様子をうかがう様子はまさに不審。そのうえ、そこから得られる情報はほとんどありませんでした。
見守る母
そんなある日、幼稚園でイベント工作スタッフの募集がありました。イベント工作スタッフとは保護者主催のイベントで使う飾りつけの製作やプレゼントの梱包など、人手がいる作業のお手伝いです。年に何度か幼稚園に集まって作業をするそうで、その月はさっそく数回出番があるそうです。
なんというチャンス。堂々と幼稚園の中に入ってスバルの様子をうかがえる機会が向こうからやって来るなんて!
幼稚園に貢献しながらスバルの様子も見られるなんて一石二鳥です。
私は熱い志望動機も書き添えて応募し、イベント工作スタッフの参加が決定しました。
作業初日、少し早めに幼稚園に到着しスバルに見つからぬように細心の注意を払い幼稚園へ潜入。集合場所であるお遊戯室へ向かう途中にスバルの教室があり、ぬき足さし足しのび足で教室をのぞきました。
てっきり廊下から駐車場を眺めているか教室内を歩き回っているのかと思いましたが、意外なことにスバルは座って工作をしていました。