子育て情報『4歳児にみられる自閉症の特性は?検査内容や療育など【小児科医監修】』

4歳児にみられる自閉症の特性は?検査内容や療育など【小児科医監修】


ASD(自閉スペクトラム症)とは?

ASD(自閉スペクトラム症)は、
・対人関係や社会的コミュニケーションの困難さ
・特定のものや行動における反復性やこだわり、感覚の過敏さまたは鈍麻さ
などの特性がある発達障害の一つです。知的障害(知的発達症)を伴うこともあります。

ASD(自閉スペクトラム症)は多くの遺伝的な要因が複雑に関与して起こる生まれつきの脳機能障害だと考えられています。しかし、はっきりとした原因はまだ分かっていません。5歳児時点でASD有病率は約3.22%ともいわれています。

https://doi.org/10.1186/s13229-020-00342-5
参考:斉藤まなぶ、廣田智也、坂本由唯、足立匡基、高橋芳雄、大里絢子、Young Shin Kim, Bennett Leventhal, Amy Shui,、加藤澄、中村和彦著「5歳児の全母集団サンプルにおける自閉症スペクトラム障害の有病率と累積発生率、および併発する神経発達障害のパターン」『分子的自閉症 11』 (2020)

4歳頃は言葉の発達や社会面・精神面での発達が著しく伸びる時期であるため、その遅れに気づきやすい時期ともいえます。3歳児健診などで「様子見」と言われたり、園生活などで集団行動ができずに先生から指摘され詳しい検査を勧められ、受診して気づくこともあります。

4歳頃の子どもに多くみられるASD(自閉スペクトラム症)の特性としては、
・集団生活が苦手、友達と遊ぶことが苦手
・強いこだわり
・感覚の過敏さ
・癇癪を起こしやすい
などがあげられます。
詳しくは次章以降で紹介します。

https://www.mhlw.go.jp/shingi/2003/07/dl/s0730-6a1.pdf
参考:自閉症Q&A|厚生労働省


4歳児の発達の目安って?

4歳頃になると、言葉や心の発達はもちろん、全身のバランスを取る能力も発達し、体の動きが巧みになっていきます。

・自然など身近な環境に積極的に関わり、さまざまな物の特性を知り、それらとの関わり方や遊び方を体得していく
・想像力が豊かになり、目的を持って行動し、つくったり、描いたり、試したりするようになる
・自分の行動やその結果を予測して不安になるなどの葛藤も経験する
・仲間とのつながりが強くなる中で、けんかも増えるが、一方で決まりごとの大切さに気づき、守ろうとするようになる

こうした成長の中で、感情が豊かになり、身近な人の気持ちを察し、少しずつ自分の気持ちを抑えられたり、我慢ができるようになったりしていく時期です。

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