参観日で母にべったり、一人で別行動…自閉症4歳息子が「みんなと一緒に」できなかった理由
絵本の読み聞かせの保護者参観
息子のタケル(ASD/自閉スペクトラム症)が4歳の頃、幼稚園で保護者が参加するイベント参観日がありました。
その日は、子どもたちが並んで入場、そして席に着席し、絵本の読み聞かせを聞く、感想を共有するというプログラムが用意されていました。子どもたちは何日も前から、「お母さん、お父さんに見せるんだ」と、入場、着席の練習をしていたそうです。
教室の後ろに並んだ保護者らが拍手する中、子どもたちが教室に入って来ました。
ほかの子どもたちと一緒にキリッとした表情で教室に入ってきたタケル。しかし、その雰囲気も、私を見つけると一変しました。
「来てたのー!?」と元気いっぱいに駆け寄ってくるタケル!
そして、べったりとくっつき、動かなくなってしまいました……。
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先生に着席するように促されてもニコニコするばかりです。
「みんなってなに?」というタケル
結局タケルは、私にくっついたまま、絵本の読み聞かせを聞き、私にくっついたまま発表もしました。
発表の時は、お友達にも「タケルくん、こっちに来なよー」と呼ばれたのですが、ニコニコしたまま首を振って断ってしまうのでした。
私も何度か「みんなのところに戻りなよ。お席で先生の話を聞きなよ」と言いましたが、なぜそんなことを言うのか分からないといった表情で、「みんなってなに?」と聞かれ……全てを諦めました。
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そういえば教えていませんでしたね……!
タケルには、「みんな」と言われても何のことだか分からないのです。
この場では、私だけが(家族という括りのなかでの)「仲間」、その「仲間」から突き放されたらどうしていいのか分からないのでしょう。幼稚園にいる時は、幼稚園にいる子どもたちと「仲間」なのだと、事前に教えておくべきでした。
しかし……思いつかないよなあ……これ。
結局、この場面で行動を変えさせるのは無理と判断し、先生にも「今日は私のそばにいさせてあげてください」とお願いしました。
保護者に混ざって片づけにまで参加するタケル
その後、タケルは、この参観日のために保護者有志の方がつくってくれたおやつを私の膝の上で食べ、私やほかの保護者の方と一緒に片づけに参加。器用にお皿を洗って、お母さんたちに褒めてもらっていました。
そして、「来年はみんなと一緒に発表ができるといいね」