中2で強迫性障害。自閉症息子の異変に気づけたのは私にも経験があったから…
障害受容をし、息子に無理させないよう丁寧に育てたつもりだけれど、二次障害として強迫性障害(強迫症)に
現在、息子は23歳。知的障害(知的発達症)を伴うASD(自閉スペクトラム症)です。
息子は療育手帳を持っていますが、中学の時に二次障害として強迫性障害(強迫症)を発症したので、精神障害者保健福祉手帳も持っています。
息子は2歳3ヶ月のとき自閉症(※)が分かり、診断を受けました。
医師からは「こんなに小さいうちから自閉症の診断を受けられたんだから、将来二次障害を起こさないように特性にそった子育てをしましょう」と何度も何度も言われました。
私は療育の鬼になるのをやめ障害受容をし、息子に無理をさせることなく丁寧に丁寧に育てたつもりでしたが、その10年後に強迫性障害(強迫症)になったのでした。
※以前は「自閉症」という診断名が用いられていましたが、アメリカ精神医学会発刊の『DSM-5』(『精神疾患の診断・統計マニュアル』第5版)において自閉的特徴を持つ疾患が統合され、2022年(日本語版は2023年)発刊の『DSM-5-TR』では「自閉スペクトラム症」という診断名になりました。
私も強迫性障害(強迫症)だった
実は私も、就職した直後に強迫性障害(強迫症)を発症しました。
そして、通院治療では治らないほどこじらせ、精神科に9ヶ月入院した経験があります。
退院後も自宅に帰ると再発するといわれたため、1年間社会復帰施設に入所していました。
入院中はベッドに手足を縛られ拘束され、オムツをし、たくさんの服薬をするという毎日で、今振り返っても地獄の日々だったと感じます。
今までの人生の中で一番つらい時期でした。
その後、未婚の母として息子を産み、シングルマザーとして育てているなかで息子の障害が分かり、さまざまな茨の道もありましたが、こんな経験があったので、いつも「あの入院時代に比べると、こんなことは大したことない」と思え、乗り越えられたのだと思います。
そういう意味では、私のつらく悲しい入院生活は意味があったことだと思うようにしています。
息子の異変にすぐ気づくことができたのは、私の経験があったから
自分が強迫性障害(強迫症)になった経験があったので、息子の異変にはすぐに気づきました。ある日、いつものようにスイミングスクールに行く際、息子が道中プールの道具を何度も何度も確認するのです。