パニック、自傷のほうがずっとつらい…自閉症息子のこだわりに応じ続けた日々。24歳の今は
自閉症息子のこだわりについて主治医から言われていたこと
ASD(自閉スペクトラム症)の息子のこだわりにずっと応じるのはしんどい面もありました。ですが、応じないことによる癇癪、パニックのほうがずっとずっとつらいものです。
医師からはこんな風に言われていました。
「パニックを起こす理由が立石君にはあるのです。『こうしてほしい』というこだわりには応じ、小さいうちに安心できる生活環境をお母さんが与えてください。パニック起こして一番しんどいのは本人なんですから」
「もし、お母さんが人の履いたスリッパがどうしても履けなかったとしましょう。『履け』と命令されたらどうですか?それを履いて落ち着いていられますか?こだわりは自分だけのスリッパと同じなんです」
「人が食べたガムを食べることができますか?子どもにとって偏食は、芋虫や他人が食べたガムを食べろと言われているようなものなのです」
「喘息発作も起こせば起こすほど、それを誘発させます。普段から吸入して発作を起こさない予防をすることが肝心です。
ASD(自閉スペクトラム症)のお子さんのパニックもそれと似ています。起こさないように周りが配慮してやることです」
「お母さんからすれば『なんでこんなことにこだわるんだ』と思うことも、本人にとってはとても耐えがたい嫌なことなのですから、こだわりには応じてあげてください」
かつてあったたくさんのこだわり。今はこだわりが崩れてもパニックを起こさなくなった面も
息子にはたくさんのこだわりがありました。
・同じ道順しか歩かない
・井の頭線に乗るときは3000系の各駅停車しか乗らない
・電車で同じ席にしか座れない。誰かが座っていると、「替わってほしい」と暴れる
・タクシーを使う場合は特定のタクシー会社にしか乗れない。
・同じ靴しか履かない
・スーパーの納豆がきちんと並んでいないと許せない
・5種類の食べものしか食べない
・夜のニュース番組の「こんばんは、〇〇ニュースです」のアナウンサーの第一声「こ」と同時に夕飯の一口目を口に入れないとダメ
・消火器のメーカーを確認する
・非常口のマークを探して回る
・マンション内で「あなたは何号室に住んでますか?」と聞きまくる(管理会社に不審者と通報されました)
・私が話す言葉に「ね」という音を入れてはならない(これは困りました。私は喋ることができなくなりました)