障害のある弟と兄の関係。我慢させてる?きょうだい児の言えない悩み…救いとなったのは
でも、少しでも長男の気持ちに寄り添いたいと思うので、夫と共に意識して長男へのフォローをするように心がけています。
きょうだい児の心が救われるきっかけとなる出会い
そんなある日、長男の学校に長男と同じきょうだい児の友だちがいることが分かり「その子と一緒に『きょうだい児あるある』を言い合って盛り上がったんだよ!」と、楽しそうに話してくれたことがありました。
「誰かに話したところで……」と言っていた長男でしたが、同じような立場の子であれば、障害のあるきょうだいの話をお互いがすることで理解し共感し合えるしスッキリすることもあると思えたようです。
その話を聞いて私はとてもホッとしました。親には言いづらい話、ほかの友だちに話すのは恥ずかしいし隠したいと思うような話でも、同じような立場の友だちであれば安心して話せるのかもしれません。私が自分と同じような立場のお母さんたちと話をすることで救われているように、長男も自分と同じような立場の友だちの存在に救われることがあるんだと思いました。

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きょうだい児として人生を歩んでいる長男から親が学ぶこと
また、「世間の冷たい目に気づいてしまう……」と言っていた長男ですが、「冷たい目だけじゃなく、優しい目もたくさんあると思ってるよ!」と話してくれたことがありました。
私はその視点にはなかなか気づけなかったので、そんなふうに思える長男をすごいと思いましたし、まだ子どもではありますがきょうだい児としてさまざまなことを考え、葛藤する日々の中で心が強く優しく育っているような気がします。そんな長男からPへの考え方や接し方を私のほうが気づかされたり教わったりすることもたくさんあります。
これから先も大変なことやいろんなことがあると思いますし、その度長男にはつらい思いをさせたり、悩ませてしまったりすることもあると思います。日頃はどうしても障害のあるPのほうに手がかかってしまいますが、親としてできるだけ長男にも寄り添いながら長男の心を守り、長男のための時間もたくさんつくって一緒に過ごしていければと思います。

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執筆/みん
(監修:鈴木先生より)
私は以前から入院している患者さんのきょうだいを気遣っていました。きょうだいに病気や障がいのある方がいると、その子の通院や入院などでどうしても親御さんの時間が取られるため、きょうだいにはストレスが生まれることもあると思います。