ひきこもりが続く自閉症息子。もっと早く出合いたかった「訪問看護」利用までの道のり
閉ざされた訪問看護への道
息子が児童精神科に通い始めたのは、小学校3年生の頃でした。不登校をきっかけに受診したのが始まりです。最初の頃は一緒に受診できていたのですが、本人の調子がどんどん悪くなるにつれ、外出自体が困難になりました。そんな状況を心配してくださった特別支援学校の先生が「訪問看護を検討されてはどうですか?」と提案してくださいました。先生ご自身も障害のあるお子さんを育てていらっしゃるので、息子の様子を特に気にしてくださっていました。
しかし当時、子どもが利用できる精神科の訪問看護は圧倒的に少なく、いくつか問い合わせをしてみましたが、子どもは難しいということでほとんどの事業所に断られてしまいました。唯一受け入れてくれると仰ってくださった訪問看護ステーションの方は、ご自分のお子さんがうちの息子と同じ年だということで、かなり親身になって話を聞いてくださいました。
そして、児童精神科の担当医に「訪問看護を利用したい」と相談をしました。
先生は「私の方針として、精神科の訪問看護は、お子さんにはお勧めできません。また、息子くんは学校の先生との関わりによる心の傷が深いので、もし訪問看護で新しい人との関わりが生まれ、再び大人への信頼を失うようなことになったら……という危惧もあります」とのことでした。

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※訪問看護は認知症以外の精神疾患も対象になります。精神科訪問看護を受けるためには、医師の精神科訪問看護指示書が必要です
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001123919.pdf
厚生労働省|訪問看護
コロナ禍で増えた?子どもの訪問看護
次に訪問看護を検討することになったのは、それから3年後のことです。息子の状況が大きく変化しました。過度の緊張をすると発作が起きるようになり、心因性非てんかん発作と診断されました。学校どころか、いつ発作が起こるか分からないので日常生活もままならず、私も勤務途中に息子から連絡を受け、大きな発作が起きる度に職場と自宅を何度も往復する日々でした。
そして精神科を受診した際、改めて訪問看護の利用について相談してみると、快諾されました。その旨を相談支援の方にお伝えすると、すぐにたくさん資料を持ってきてくださり、すでにいくつかの訪問看護ステーションに問い合わせをしてくれていました。