
わが子にはきれいな日本語を話してほしいと親は願うもの。だから、子どもの言葉遣いに、親はとても敏感です。では、親自身はどうでしょうか?
今回は、意外に見落とされがちな親のうっかり発言にフォーカスし、それが与える子どもへの心理的影響についてお伝えしていきます。
■思い当たる?うっかり出がちな「子どもを突き放す言葉」
お子さんがもし暴言を吐いたら、どうしますか? 「誰に向かって言っているの!」と厳しく問いただすのではないでしょうか。でも、意外と親自身も、子どもに向かってグサッとくる言葉を発しているものです。
1.「もう知らない」
2.「勝手にして!」
3.「最低!」
4.「最悪!」
5.「悪い子なんだから」
6.「いじわるな子ね」
思い当たる節はありませんか?
これらの言葉は、当然ながら、叱るシーンで頻出しがち。ママはつい感情的になってうっかり口が滑ってしまうのです。冷静に考えたら、勝手なことをしてほしいなんて思っていないし、わが子に“いじわる”のレッテルを貼りたくもありません。でも、言葉は発してしまった以上、相手に届いてしまいます。
突き放し言葉はいろいろとありますが、子どもに与える影響から見ると、主に3つのタイプに分けられます。それを順に見ていきましょう。
(1)シャットアウト型(上記リストの「1.もう知らない」「2.勝手にしなさい」が該当)

●子どもへの影響: 現実逃避
子どもとの間にシャッターを下ろす感覚で、ママが子どもから距離を置こうとします。子どもを突き放すというと“押す”といったニュアンスがありますが、これはむしろ逆で、ママ自身が後ろへ下がる、“引く”タイプの突き放しです。
ママが子どもの対処に困ったときに、「勝手にしなさい」とシャッターを下ろしてしまうことで、子ども自身も、「困ったときは、避ければいい、逃げればいい」と学んでしまいかねません。
(2)悲観視型(上記リストの「3.最低!」「4.もう最悪!」が該当)

●子どもへの影響: マイナス思考発想
最低とは、もっとも低いこと、最悪とは、もっとも悪いこと。言葉の意味から見れば、そう滅多に出会うことはないはずなのに、私たちはよくこの言葉を使ってしまいます。
心理学ではこのタイプの言葉をマイナス思考フレーズとし、避けた方がいい言葉としています。
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