2016年10月20日 20:45
過去10年で最多…「RSウイルス」の特徴は食欲が旺盛に?

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RSウイルス
感染症流行の兆しが見られます。国立
感染症研究所によると、2016年9月25日までの1週間に全国約3,000の小児科から報告のあった患者数は4,204人と、過去10年間で最多となったとの事です。
今回はその“RSウイルス”について解説していきます。

川上 智史北里大学大学院医療系研究科医学専攻博士課程修了、医学博士。予防医学を専門とし、医学的に美と健康に主眼を置き研究を続ける。各種教育機関や講演会において予防の重要性を啓発している。
秋冬は気をつけて!「RSウイルス」の基本
・秋から冬にかけて流行する
“RSウイルス”による
感染症はおよそ秋から冬にかけて乳幼児で流行しやすい
感染症の一つです。特に呼吸器系に対して症状が出てくることが多いので、風邪と間違いやすいことも。このことから徐々に寒くなり、さらに乾燥してウイルスが活性化しやすい時期となりましたので、RSウイルスに対して注意をしなくてはなりません。
・乳児の場合は重症化することもあるので早めの受診を
特に、生後数か月の乳児の場合であれば重症化することも懸念されていますので、少しでも体調が悪そうなときには自己判断せず、必ず小児科を受診するようにしましょう。
なお、筆者の息子も昨年RSウイルスに感染しましたが、早い段階で小児科に連れて行き、治療を行いましたので、大事には至りませんでした。予防における原則、第二次予防の早期発見・早期治療が重要であるということを痛感させられた瞬間でもありました。
RSウイルスの症状は風邪と似てる?「ゼイゼイするような咳」には要注意

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RSウイルスに感染すると潜伏期間を4~5日間経て、最初に鼻水や鼻づまり、咳や発熱などの上気道
感染症症状が現れてきます。これらの症状は風邪と同じために、区別がつきにくいのが特徴です。
通常のウイルスなどによる風邪の場合、“上気道
感染症”の症状が現れてそのまま軽快していく事が多いのですが、RSウイルスによる
感染症の場合は症状を呈した乳幼児のうち、約3割が気管支炎や肺炎などの“下気道
感染症”症状を呈することがあります。全RSウイルスに感染した患者さんのうち、1~3%は重症化してしまう傾向にあると言われております。
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