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自身の不妊治療奮闘記を綴った『俺たち妊活部』の著者で、妻の壮絶な産後ウツを経験した村橋ゴローが、わが子(愛称グラ太)の育児に日々奮闘し、パパとなっていく育児連載シリーズ『ゴローパパの泣き笑い育児』をお届けします。
前回は、子ども靴“男の習性”についてお届けしましたが、今回は“嫉妬”についてです。
村橋ゴロー72年、東京都出身。大学生のときライターデビュー。以降、男性誌から女性誌、学年誌など幅広い分野で活躍。
千原ジュニア、
田村淳、
タカアンドトシ、
次長課長、
高橋克典など多くの芸人、俳優陣の連載構成を手掛ける。3年に及ぶ、自身の不妊治療奮闘記をまとめた著作『俺たち妊活部』(主婦の友社刊)が好評を博す。また主な構成/著作に、『すなわち、便所は宇宙である』シリーズ(
千原ジュニア著・扶桑社刊)、累計200万部突破した『GO!GO!バカ画像シリーズ』、『裏モテの秘策』(ともにKKベストセラーズ刊)などがある。結婚以来11年間、炊事・洗濯・掃除をこなす兼業主夫でもある。
グラ太、他の赤ちゃんに嫉妬する

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あれはグラ太が1歳半のころ、知人が生後2カ月の赤ちゃんを抱いてわが家にやってきた。グラ太のもう入らなくなった肌着や洋服、使わなくなったオモチャをおさがりとしてあげるためだ。
無類の新生児好きである奥さんは、その赤ちゃんを抱きあげた。「こんにちわー、はじめまして」などと満面の笑みを浮かべた。
するとその一部始終を見ていたグラ太の表情が、みるみるうちに変化していった。他の赤ちゃんを笑顔で抱っこする母親を目の当たりにしたグラ太は焦ったような顔つきになると、すぐに大声で泣き出した。
そして「うえーん、うえーん」と母親の脚もとに絡みつくようにすがった。初めてみる、グラ太の嫉妬という感情。びっくりした。ヒトは生まれて1年半で、こうも急激に成長するものなのかと。
その姿に驚いたりえは「グラ太、心配しないでー」と彼を抱き上げ、機嫌をとる。そしてしばらくして、グラ太の使わなくなったオモチャを赤ちゃんに「ガラガラですよー」とあげると、
「これ、ぼくの!」
と言わんばかりに、赤ちゃんからひったくったのである。
「お前、ガラガラなんて赤ちゃんのときだって遊んでなかったじゃん」と言うも、理屈じゃないのだ。彼は、自分以外の小さな生き物を愛し、ましてや自分の所有物をそいつに与える親の行動に怒っていたのだ。
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