思春期、大人になって起こる二次障害ってなあに? #22

2017年1月4日 22:00
 

illustration (C)今井久恵
“子どもも親も幸せになる発達障害の子の育て方”の著者の立石美津子の連載「もしかしてウチの子、障害児?」第22回目です。

「大人になって深刻な二次障害を起こしている」「二次障害を起こさないように気を付けて」の言葉が交わされることがあります。この二次障害っていったい何なのでしょうか?



二次障害の原因は?
source:https://www.shutterstock.com/
一次障害とは病気やケガで生じたものや、自閉症や注意欠如多動性障害や学習障害など生まれつきあった最初の障害のことを指します。そして、この一次障害への対応の結果として、マイナスに生じてしまったものを二次障害と言います。

発達障害の子どもは“グレーゾーンの子ども達”とも言われるように、障害程度が重い子に比べて定型発達児により近いです。

そのため、その特性による園や学校生活での困難さを周囲が理解しにくいために、本人は適切な支援を受けられずストレスをため込み、それが長期間続くと元々あった障害とは別の問題が起こってしまうことがあります。これが二次的な障害なので“二次障害”と呼びます。

例えば頭痛、腹痛などの身体症状だけでなく、以下の問題も出てきます。

・鬱や強迫性障害などのメンタル不全

不登校

引きこもり

・自傷行為(リストカットなども含む)

・他害(反社会的行動、犯罪)

など

これは親だけでなく、友達関係、学校、担任との相性、母親以外の祖父母や、父親の対応などの要因も複雑に絡みあいます。

二次障害が「軽度の障害の子に起こりやすい」理由
近視の子どもに「眼鏡をかけないで黒板の文字を写しなさい!」、足が不自由な子に「皆と同じように歩きなさい!」とは誰も言いません。

でも、障害がそれほど重くなかったり、見た目ではわかりにくい発達障害の子を持つ親のなかには、わが子を健常児と同じ方法で育て、違いを認めず、周りの子と同じようになることを求めてしまう人がいます。

障害が重ければ、親は障害受容し、子どもにあった子育てをせざるを得ませんが、軽ければ軽いほど親は認めたくなくなり、健常児に近づけようとしてしまうのです。こんなことから二次障害は軽度の子に起こりやすいと言われています。

 

「こうであって欲しい」の理想が子どもを追い詰める
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特に母親の養育態度というのは重要です。

子どもの今の状態を親が認めずに「こうであって欲しい」と理想の子ども像を求め、他の子と比べて「あれができない、これができない」と追い詰めた結果、子どもは家庭でも学校でも誰からも理解してもらえないまま、安心できる居場所を失い孤立します。

親の中には「今、踏ん張ってがんばらせればなんとかなる」「いじめにも耐えうる強い子になって欲しい」「子ども時代だけの辛抱だ」と思っている人もいます。

しかし、人は今日を生きています。

その積み重ねが後の人生を作り上げていきます。子ども時代に受けた壮絶な迫害体験により、自己否定し、大人になってもそれを引きずって、仕事場で対人関係のトラブルを起こしたり、適応障害を起こしたり、引きこもったり鬱病を発症している人はたくさんいます。

また、生きづらさを抱えたまま、ずっと立ち直れない人もいます。

これは思春期や大人になって突然起こることではなく、それまでのマイナスの積み重ねのツケが回ってきた結果なのです。

深刻な二次障害を起こしている人に対しては、薬によりその症状を緩和させることもありますが対症療法です。

 

ただでさせえ少数派である発達障害の子は叱られる回数も増え、低いセルフイメージを持ってしまうことも多いです。

親が障害を受け入れることはとてもつらいことですが、ママだからこそ、子どもサイドに立つ“応援団長”になって守ってやりましょう。

そして、幼児期から特性にあった子育てモードにスイッチを切り替えて、二次障害を起こさないように予防してやることが大切だと思います。

 

【画像】

※  altanaka、wallybird / Shutterstock

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