2017年6月24日 21:15
幼児期の「体力づくり」が小学校以降に大きく影響する理由【3歳児神話#16】

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3歳まではママが育てないと子どもの成長に悪影響が生じる……という“3歳児神話”。どこまでがホントなのか気になるところです。この連載では“3歳まで”をキーワードに、様々なケースを取り上げます。
子どもは1歳を過ぎるころから歩き出し、3歳になると手足の力が強くなり走るのも早くなります。幼児期は歩き始めこそ差はありますが、同じような流れで発達・成長します。
ですが、これが小学生にもなると話は別。明らかに運動が苦手な子どもが出てくるのです。
そこで重要なのが、乳幼児期に体を動かすこと。今回は、子どもの体力についてお伝えします。
今回の「やっておこう」ポイントをまとめると次の通りです。
○:やっておこう
「体力低下がもたらす影響を理解し行動する」
身長・体重は増加しているのに体力は低下傾向
文部科学省が1964年から実施している「体力・運動能力調査」(いわゆるスポーツテスト)によると、子どもの体力や運動能力は1985年ごろから徐々に低下傾向にあります。
一方で、身長や体重は今の子ども世代の方が上。つまり、体が大きくなったのに、体力や運動能力は下がっているという状況で、子どもの身体能力が深刻であることを示しています。現代の子どもは、くつひもを結べない、スキップができないなど「自身の体をあやつれない」という指摘もあります。
体力低下4つの影響
子どもの体力が低下するとどんな影響があるのでしょうか。
少し古い資料ですが、文科省が2002年に発表した「子どもの体力の現状と将来への影響」という資料では以下の4つにまとめられています。
1.生活習慣病や肥満リスク
体を動かさないでいると、運動不足どころか生活習慣病や肥満のリスクが高まります。肥満はいろいろな合併症を引き起こし、糖尿病、脂質異常症、高血圧の原因にもなります。
子どもの肥満は、大人の肥満のもとなるため、さまざまなところで注意喚起がなされているのです。
2.気力の低下
文科省は子どもへの教育の方向性を定めた学習指導要領のなかで「生きる力」を身に付けさせることが重要であり、その構成要素のひとつとして「体力」を挙げています。体力は活動の源なので、低下すると生活全般に支障がでます。考える、判断するという意欲や気力まで低下してしまうのです。
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