2017年12月20日 21:30
【歯科医Q&A】くっついて生える「癒合歯」、 原因と永久歯への影響は?

Photo by It Mama
赤ちゃんに歯が生えてきたと思ったら、「あれ?もしかして歯が2本くっついてるんじゃ……?」と心配になることがあります。
1歳6ヶ月健診のときに、歯科医師から初めて歯がくっついていることを言われて不安に思うママもいらっしゃると思います。
また、「このままでいいのかしら、大人の歯は大丈夫?歯並びはどうなるの?」など、将来のお口の中までも心配になることが多いと思います。
そこで今回は歯科医であり4児のママである進藤ゆきこさんに、乳歯が2本くっついてる「癒合歯(ゆごうし)」についてお話をうかがいました。
Q:2本の歯がくっついて見えるのですが、コレってなんですか?
A:2本の歯がくっついてる状態を、癒合歯(ゆごうし)といいます。(※1)。
これは、乳歯の前歯によく見られます。場所は下の歯に多く、下の乳中切歯と乳側切歯、乳側切歯と乳犬歯がくっついていることが多いです(※1)。
上の歯の場合もあり、上の乳中切歯と乳側切歯がくっついていることもあります(※2)。
乳歯が生えてくるのが遅い、といった場合も癒合歯であることがあります。1歳6ヶ月健診で初めて指摘されることもあります。
Q:癒合歯の原因はなんですか?
A:歯は顎の中で発育します。その歯ができる時期に隣り合う歯のもと(歯胚)がくっついて、1つの歯として発育したためです(※1)。
Q:永久歯はどうなるの?
A:後に続く2本の永久歯のうち、1本が先天的に欠如していることがあります
乳歯が癒合歯の場合、
・永久歯は2本
・永久歯は1本
というパターンが考えられます。また、ごくまれに永久歯も癒合歯であることもあります(※1)。
生え代わりの時期が異なる2本の乳歯がくっついているため、生え代わりがうまくいかない場合は、抜歯することもあり、長期的な経過を見ていく必要があります(※1)。
あとに続く永久歯が1本足りない割合は約50%弱という報告もあります(※2)。
Q:永久歯の歯並びへの影響は?
A:永久歯の歯並びに問題が生じることがあります。
乳歯が癒合歯のところに、永久歯が2本生える場合、スペース不足で歯並びに問題が生じることもあります。
なぜなら癒合している乳歯の方が、2本別々に生えている乳歯よりもスペースを保つのが小さく、あとから生えてくる永久歯の本数によっては、生えるスペースが不足することがあるからです(※2)。
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