子育て情報『「前置胎盤」ってなに?お産にどう影響するの?』

「前置胎盤」ってなに?お産にどう影響するの?

2018年3月27日 21:00
 

目次

・▼胎盤のしくみって?
・▼前置胎盤って何?
・▼前置胎盤の原因は?
・▼前置胎盤の症状は?
・▼前置胎盤のお産はどうなる?
「前置胎盤」ってなに?お産にどう影響するの?
source:https://www.shutterstock.com/
胎盤は、妊娠中、お母さんと赤ちゃんに血液や酸素を供給する重要な役割を果たしています。

今回は、胎盤のしくみと、胎盤の位置異常である「前置胎盤」について助産師である筆者がデータをもとにお伝えします。

「前置胎盤」ってなに?お産にどう影響するの?


▼胎盤のしくみって?

胎盤は、妊娠7週から形成され、妊娠16週までに完成します。

その後、妊娠10ヶ月頃まで大きくなり、妊娠末期には約500g(赤ちゃんの体重の約6分の1)になります。

妊娠7週頃までの赤ちゃんは、卵巣から出る黄体ホルモンによって成長します。

胎盤は、お母さんの子宮の壁に付着しています。赤ちゃんと胎盤は、赤ちゃんの臍から出ている臍帯とつながっています。

臍帯の中には、2本の臍動脈と1本の臍静脈があり、胎盤を経由して、お母さんと赤ちゃんの血液のやりとりが行われます。

「前置胎盤」ってなに?お産にどう影響するの?
source:https://www.shutterstock.com/
胎盤を通して、赤ちゃんはお母さんの血液から糖・アミノ酸・遊離脂肪酸の栄養をもらって成長し、赤ちゃんの体でいらなくなった老廃物はお母さんに渡しています。

また、赤ちゃんはお腹にいる間は、肺で呼吸することはありません。胎盤を通して、お母さんから酸素もらい、二酸化炭素をお母さんに渡して、ガス交換を行っています。

胎盤は、赤ちゃんが生まれたあとに、自然に子宮の壁から剥がれて排出され、その役割を終えます。

▼前置胎盤って何?

通常、胎盤は、子宮の入り口から離れた子宮体部といわれる場所に付着しています。

しかし、胎盤の一部または大部分が、子宮の内側の入り口(内子宮口)に及んでしまうことがあり、これを「前置胎盤」といいます。(※1)

「前置胎盤」ってなに?お産にどう影響するの?
source:https://www.shutterstock.com/
前置胎盤の発生頻度は、全分娩の0.3~0.6%といわれています。(※2)

妊娠の早い時期に前置胎盤と診断された場合、子宮が大きくなることなどにより、子宮の入り口と胎盤の辺縁の位置が変化し、最終的に前置胎盤でなくなることもあります。概ね、妊娠20週以降に確認が必要です。(※3)

▼前置胎盤の原因は?

前置胎盤の発症のメカニズムはまだよくわかっていませんが、日本産科婦人科学会によれば、流産手術などにより子宮の内膜が傷ついたり、炎症が起きたりすると前置胎盤が起こりやすいと考えられています。

高齢妊娠、喫煙、多産婦(1人以上お産をしていること)、帝王切開術の既往などが原因として挙げられています。(※2)

▼前置胎盤の症状は?

一般的に、前置胎盤は“無症状”です。

しかし、腹痛のない、突発性の性器出血(警告出血)や大量性器出血が起こることがあります。特に、お腹が大きくなり、張りやすくなる妊娠28週以降に性器出血の頻度が徐々に増加することがわかっています。

妊娠後期になるほど、子宮下部の伸展や子宮口の開大により、子宮胎盤血管が断裂して出血の頻度が多くなるためです。(※1)

このような出血があった場合は、入院が必要になるので、必ず病院へ連絡しましょう。

▼前置胎盤のお産はどうなる?

「前置胎盤」ってなに?お産にどう影響するの?
source:https://www.shutterstock.com/
お産は、帝王切開術が原則となっています。

前置胎盤の帝王切開術では、出血量が多くなり、輸血は14%に必要であったというデータがあります。(※3)

そのため、妊娠中に自分の血液をストックしておく「自己血貯血」(じこけつちょけつ)を行い、準備をしておくことがよく行われているようです。(※1)

性器出血(警告出血)がない場合などは、妊娠37週以降で予定帝王切開術が可能ですが、それ以前に性器出血(警告出血)や子宮頸管長(内子宮口と外子宮口の距離)が短くなるなどの兆候がある場合は、多量の出血のために緊急で帝王切開術を行う場合もあり、早産になることもあります。(※3)

出血が大量になると、赤ちゃんだけでなくお母さんの命にも危険が及ぶことがあります。輸血や、子宮を摘出する可能性もあります。(※2)

前置胎盤と診断された場合は、いつ出血が起きるかわからない状況が続き、不安になることも多いと思います。

不安に思うことなどは、各症状によって個別の判断が必要となりますのでかかりつけの医師や助産師に相談して適切な判断を仰ぎましょう。

※本記事の医療情報は、専門家の知識と経験をもとに監修や監修を行っております。しかしながら、医師および各専門家による情報提供は、診断行為や治療に代わるものではなく、正確性や有効性を保証するものでもありません。また、医学の進歩により、常に最新の情報とは限りません。個別の症状について診断・治療を求める場合は、医師より適切な診断と治療を受けてください。

【参考・画像】
※1『病気がみえるVOL10産科』-メディックメディカ
※2『公益社団法人日本産婦人科学会』ホームページ
※3『産婦人科診療ガイドライン産科編2017』-日本産婦人科学会・日本産婦人科医会
※ Maythee Voran、Artemida-psy、Alila Medical Media、N1_5.6 / Shutterstock

関連記事
新着子育てまとめ
もっと見る
子どもの教育アンケート
もっと見る
記事配信社一覧
facebook
Facebook
instagram
instagram
twitter
twitter
ピックアップ
上へ戻る

Copyright © 1997-2018 Excite Japan Co., LTD. All Rights Reserved.