「失敗」も「個性」もすべてが自分。親の “あの声かけ” が「本来の自己肯定感」を育む

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近年の子育ての場における重要なキーワードのひとつが、自己肯定感です。しかし、自己肯定感ブームをつくった第一人者として知られる心理カウンセラーの中島輝さんは、「自己肯定感を誤解している人も多い」と語ります。中島さんが考える「本来の自己肯定感」を解説してもらうと同時に、子どもの自己肯定感を育むうえで注意が必要な「時期」についても解説してもらいました。
構成/岩川悟取材・文/清家茂樹写真/石塚雅人(インタビューカットのみ)
「ポジティブもネガティブもひっくるめて自分」だととらえる
ここ数年のあいだに、「自己肯定感」という言葉は一般の人たちにもすっかり浸透したようです。それこそ子育て中の親御さんであれば、自己肯定感という言葉を知らない人はほとんどいないかもしれません。しかしわたしは、自己肯定感について誤解をしている人も少なくない印象をもっているのです。
一例を挙げると、たとえば「いつも明るくて積極的な目立つ子」は自己肯定感が高くて、「いつも物静かで消極的な目立たない子」は自己肯定感が低いというような誤解です。
でも、前者のような子の自己肯定感が低く、後者のような子の自己肯定感が高いことだってあるのです。
「子どもの自己肯定感を高めてあげたい」と考えると、つい「いつもポジティブでなければならない」という、いわば「ポジティブ至上主義」に陥りがちです。確かに、ものごとをポジティブにとらえることは、自己肯定感を高めるために重要であることは間違いありません。
しかし、「いつもポジティブでなければならない」という考えに親が縛られてしまうと、子どもは息苦しくなります。なぜなら、「ネガティブになることが許されなくなる」からです。
親御さん自身のことを振り返ってみてください。みなさんそれぞれに長所も短所もあるはずですし、これまでの人生には、成功体験によりポジティブな気持ちになったこともあれば、大失敗してネガティブな気持ちになったこともあったはずです。ポジティブなこともネガティブなこともすべてをひっくるめて、自分というひとりの人間であり、人生なのです。
ですから、本来の自己肯定感とは、「自分には苦手なことや短所もあるけれど、それも含めて自分なんだ」というふうに、「あるがままの自分」をそのまま受け入れ、そのうえでしっかりと自立して人生を歩んでいける力のことを指すのです。