(編集中)目指せ習慣化! お手伝いで培った力は、大人になってからも役に立つ
子どもが「お手伝いしたい!」と言ってくれるとき。嬉しく思う反面、「子どもがやると余計に時間がかかる」「お手伝いより、勉強や習い事を頑張ってほしい」と思う方も多いのではないでしょうか。
家庭での限られた時間を子どもに有効に使ってほしい、そう思う親の気持ちはもっともです。また、知育教材などが世の中にたくさんあふれている昨今、将来を考えて、子どもの知的能力を伸ばしてあげたいと考えるのは自然なことでしょう。
しかしじつは、お手伝いには勉強や習い事にも負けない大切な価値があるのです。専門家たちは、お手伝いが子どもたちの知能や自己肯定感を育てると提唱しています。
お手伝いは、どんどんさせるべき。その理由とは
元・開成中学・高校校長の柳沢幸雄氏は、「子どもが10歳までの幼いあいだにもっと幅広くたくさんの経験をさせてあげてほしい」と説いています。
「たくさんの経験を」と聞くと、異文化に触れる国際交流体験や、サマーキャンプなどの自然体験・集団活動を思い浮かべるかもしれません。しかし、それほど特別なものでなくてもいいのです。
柳沢幸雄氏は、「洗濯物をたたむとか、お皿を洗うといったことでもいい」と話しています。つまり、日常生活の中のほんのささいなお手伝いさえも、子どもたちの大切な経験の一つとなるのです。*1
独立行政法人国立青少年教育振興機構の元・理事長・鈴木みゆき氏は、お手伝いを続けることで3つの効果があると指摘します。
子どもの自己肯定感を高めるマナーを学ぶことにつながる「時間の感覚」を身につけられる特に3の「時間の感覚」について、長く生活習慣の研究をしてきた鈴木氏は次のように説明します。
「人間にとってなにが大事かといえば、『24時間をコントロールする力』だと思うのです。(中略)24時間をどう使うかということを、自分でコントロールすることがなによりも大切。
時間を自ら律する『時間の自律』ということなのです」
つまり、お手伝いが習慣化することで「この時間にはこれをする」という感覚が「体でわかる」ようになるのだそうです。その習慣や感覚が「24時間をコントロールする力」につながっていくのです。*2
お手伝いは、大きく2つの段階に分けられます。
身の回りのことを自分でする段階出したおもちゃを片付ける、自分が食べた食器を運ぶなど、基本的な自己管理を身につけます。いままで親に代わりにやってもらっていたことを、子ども自身が対処できるようにしていきます。