【ピアジェ理論で解説】幸福度を左右する「自己決定力」。2歳から始める将来の成功習慣
それにより、「自己決定によって進路を決定した者は、自らの判断で努力することで目的を達成する可能性が高くなる」ことと、「成果に対しても責任と誇りを持ちやすくなることから、達成感が自尊心により幸福感が高まることにつながる」という結論を導き出しました。*3
【ポイント】自己決定力と幸福度
- 幸福度に影響を与える要因は、所得や学歴よりも自己決定力。
- 自己決定力があると、自尊心や達成感が向上する。
- 「いい子症候群」の防止にも繋がる。
「自己決定力」が育つ、3つの時期
子どもの成長は段階ごとに特徴があり、年齢に応じた心の発達の変化や、その時期だからこそぐんと伸びる要素などが見られます。そういった特徴を理解すると、子どもの自己決定力が育つタイミングも見えてくるでしょう。
ここでは、2歳〜12歳までを大きく3つの時期に分類し、ピアジェの認知発達理論に基づいて解説していきます。
【2〜7歳】前操作期

子どもの好奇心と探索意欲が急激に発達する時期。新しい対象や経験に対する強い興味が湧くと同時に、自発的な探索行動をするようになるという特徴が見られます。つまり、「自分の好きなものを見つける時期」とも言えるでしょう。
自己決定力のベースにあるのは「好き・嫌い」です。自分の「好き」なものに対しては、知識や経験が自ずと蓄積されていくものです。好きなものだからこそ、どうしたいか、何をすべきかの判断が容易になるので、自己決定力が鍛えられます。
【7〜11歳】具体的操作期

論理的思考が発達する時期。自分の選択の結果を徐々に理解し、複雑な意思決定ができるようになります。
また、選択肢の比較や結果の予測も可能になるので、「自分で選択する楽しさを覚える時期」とも言えるでしょう。
子どものうちから自分で選択する経験を積むことは、いずれ大きな決断を下すときに必ず役に立ちます。まずは身の回りの小さな事例に対して、「選択する→結果を出す」といった経験を重ねていきましょう。
【11歳〜】形式的操作期

抽象的思考能力が発達し始める時期。行動の結果をより論理的に予測できるようになります。また、因果関係の理解が深まり、自分の決定がもたらす長期的な影響を考えられるように。つまり、「責任をもって決めることができる時期」なのです。
これまでとは違い、選択した結果どうなるのか予測し、自己決定によるプレッシャーを感じるようになります。