【ピアジェ理論で解説】幸福度を左右する「自己決定力」。2歳から始める将来の成功習慣
こうしたことから、選択を躊躇したり、決断を見送ったりと、自らの言動による責任について深く考え始めるのです。まさに、大人のような思慮深さが育つ時期だと言えるでしょう。
子どもの「自己決定力」が育つ親の関わり方
子どもの自己決定力を育むには、家庭でどのうような工夫をすればよいのでしょうか?ここでは、いますぐ実践できる方法を提案しているので、ぜひ試してみてくださいね。
■子どもの興味関心の対象を見つけよう!
先述したように、小さな子どもでも、自分の好きなもの・ことなら自分で決めたがるものです。岡部氏によると、「子どもがどんなことに集中したり夢中になって取り組んでいるのかをよく観察する」ことが大事なのだそう。そして、子どもの興味関心がわかってきたら、「その分野から子どもの主体性を発揮できる環境を整えてあげることが、親の大切な役割」だと述べています。*4
たとえば、星に興味がありそうだったらプラネタリウムや天体観測に連れて行ったり、星座にまつわる神話や伝説について一緒に調べたりするのもよいですね。もしそこで、あまり興味を示さず反応が薄くても、親が前のめりになるのはNGです。
感情を表に出すのが苦手な子や、心のなかでじっくり好きなものを味わいたい子など、子どもの個性はそれぞれ違います。まずは子どもの様子をじっくり観察し、「最近これが好きそう」と感じたら、それにまつわるものや情報、場所など環境を提供してあげるだけでよいのです。

ポイント:子どもの興味を観察し、それに関連する環境を整えましょう。■子どもの「どうして?」を一緒に考えよう!
自己決定力は「自分で考える力」の延長線上にあり、どちらも同じくらい、これからの時代に求められる力です。「自分で決めようと思えば、自然と考えることになる。そのときに親が『どうして?』と声をかけることで、より深く考えさせることができる」とアドバイスするのは、筑波大学付属小学校元副校長の田中博史氏。
子どもが親に「どうして?」と問いかけることはよくありますが、真剣に答えを求めているわけではないことがほとんどです。ですから、「親はただ、子どもに『どうして?』と聞かれたら、『そうだね、どうしてだろうね』とまずは受け止めて、『そんなこと、考えたこともなかったよ!』と切り返してあげるだけでよい」のです。
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質問のレベルが上がっても、決して逃げずに一緒に考えてあげましょう。